7月7日の日曜日、東京都内にて、TOP名古屋による「第3回 成長する歯科医院のための1dayベーシックセミナー」が開催されました。
TOP名古屋(=Team Oral Protect名古屋)とは、名古屋から口腔内の健康を守る!歯科業界を明るく元気にしたい!という思いを込めて結成されたチーム。メンバー全員が名古屋の歯科関係者で構成されています。
接遇、ホワイトニング、マウスピース矯正、医院管理、デンタルエステの内容が1日で学べるセミナー。名古屋で大盛況だったセミナーが、今回初の東京進出!
満員御礼の今回は、歯科衛生士さんや歯科助手さんだけでなく、歯科医師の先生も多数参加されていました。
当日の会場の様子をお伝えします♪
個人が変わるとチームが変わる!元CAが教える、ワンポイント接遇
トップバッターはポシビリテ認定講師の碓氷(うすい)祐香先生。普段は歯科医院にてビジネスマナーやホスピタリティの院内研修を行っています。
碓氷先生は冒頭に、ホスピタリティとは「相手の気持ちがプラスになるような心づかいや行動」と説明しました。
「歯医者に行くの、いやだなあ。」というのは、歯科医院で長くはたらいていると忘れがちな感情。業務をたんたんとこなすだけでなく、ちょっとした心づかいをすることで、そのネガティブな感情をプラスに変えることができるといいます。
今回のセミナーでは、ホスピタリティを実践するための4つのステップについて、具体的な例をあげながら解説しました。
また、スタッフ同士でできないことは、患者さんに対してもできないという碓氷先生。
「みなさん、仲間同士であいさつしていますか?」「目を見て、話をきいていますか?」「会話しているとき以外に、真顔になっていませんか?」と問いかけながら、患者さんに愛されるために必要な“気づき”を提案しました。
満足度を上げる!ホワイトニングの7つのポイント
つづいての講師は歯美人ダイアリーでおなじみの、歯科衛生士 高木佐知子先生。19年にわたる臨床の現場で、ホワイトニングについて研鑽を積んでいる歯科衛生士さんです。
高木先生の勤めるたかぎ歯科医院では、ホワイトニング患者の8割が男性。男性顧客は一度通いはじめると定着する傾向があるため、歯科医院経営にとってもプラスになるといいます。
審美的な効果だけでなく、歯の強化・むし歯予防の効果があるといわれているホワイトニング。1960年代のアメリカでは歯周病の治療薬として使われていたそうです。
ホワイトニングの歴史について解説した後は、ホワイトニングの種類やそれぞれのメリットデメリットについて説明。
代表的なホワイトニング材に適したマウスピースの種類や技工士さんへのオーダーの仕方、材料がしみる場合の対処法など、明日からの臨床にすぐに活かせるポイントを紹介しました。
整理収納で叶える!歯科医院の時短術
午後の部のトップバッターはしあわせ暮らし主宰・整理収納アドバイザーの大野まゆ先生による講演からスタートしました。
普段は一般家庭を中心に、生活空間の整理収納や、PCに取り込みっぱなしにしている書類やデータを整理する「デジタル収納」を提案している大野先生。
「ここに入れたよ」と伝えても、忙しいから忘れてしまう。歯科医院でよくありがちな光景を例にあげ、歯科医院で活用できる整理収納テクニックを紹介。
また、色あせてしまったポスターについての改善提案など、患者さん目線で見る歯科医院についても解説しました。
患者の心に響く矯正治療の伝え方
午後二人目の講師は、株式会社Blanche代表の穴沢有沙先生。マウスピース矯正研修講師として全国でセミナーをするかたわら、臨床業務にも従事している歯科衛生士さんです。
自身の経験をもとに「正常咬合でない場合は、矯正治療はすべての患者さんに提案すべき」と力説する穴沢先生。
まずは不正咬合の分類について、具体例をあげながら解説。咬合性外傷によって歯を失ってしまった患者さんや、定期的にメンテナンスに来られているのに破折してしまった患者さんなど、矯正治療について知っていたら予防できたかもしれない症例を紹介しました。
穴沢先生は、「矯正治療に興味はあるけど、押し売りされそうだから聞きにくい…」と思っている患者さんがまだまだ多くいます。しかし、歯科医院側も矯正治療の価値を理解していないことがあるといいます。
患者さんのためを思って正しく価値を伝えることが重要といい、患者さんの顔貌を確認しながら歯列について触れるなど、明日から活用できるポイントを紹介しました。
すぐ導入!初めてのデンタルエステ
最後の講演は、錦戸良佳先生。医療法人志福会 はね歯科医院の理事をつとめる錦戸先生は、さまざまなライフステージの女性が気持ちよくはたらける職場づくりを行なっている歯科医師の先生。
講義の冒頭に、デンタルエステのターゲット層は、小児から青年、老年期と全世代にわたると説明しました。
顔のゆがみやたるみなどといった審美障害や、顎関節症やストレートネック、気道狭窄などの機能障害に、口腔周囲の筋肉からアプローチする「デンタルエステ」。
小児では筋肉のゆがみを緩和して正常な発育をうながしたり、口腔内への刺激により脳の発達をうながす効果があります。また、老年期では脳梗塞や嚥下トラブルを抱えている方へのリハビリとして、口腔機能を維持するはたらきがあります。
筋肉を緩めることがなによりも重要なデンタルエステは、トレーニングではなくストレッチであると語る錦戸先生。筋力がない小児や高齢の方にも効果的といいます。
口腔機能に関わる筋肉の特殊性や、日本人の身体的特性を解説し、明日からできるデンタルエステテクニックを紹介しました。
かがやくセンパイへのお悩み相談!スペシャル座談会
講演の後は、スペシャル座談会の時間が設けられていました。
七夕にちなんで配布された短冊に書かれたお悩みについて、本日の講師のみなさんが回答していきます。
会場からは、歯科で働く女性ならではのお悩みがたくさん寄せられ、講師の先生方が、ご自身の経験をもとに真剣に回答していきました。
中には、受講生から質問者への熱いアドバイスも。笑いと感動に包まれた、白熱の30分間でした。
セミナーを終えて
主催のTOP名古屋が行なった事後アンケートの一部を抜粋してご紹介します。
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ホワイトニングやマウスピース矯正、デンタルエステなど、導入するきっかけが見つかりづらい内容を、1日で学ぶことができる今回のセミナー。
さまざまなバックグラウンドをもつ講師の先生が、臨床だけでなくプライベートの経験をもとに、受講生のお悩みを解決していく様子が印象的でした。
歯科で働く女性が活躍するヒントがたくさんつまった本セミナーは、新人スタッフさんだけでなく、リーダーとして活躍する歯科スタッフのみなさんにもオススメの内容です!