WHITE CROSS初の歯科衛生士向けライブセミナー、オンデマンド配信決定

2019年10月3日の20時に開催された、ライブ講演会「プロフェッショナルハイジニストワーク〜機器の選択基準と使用方法〜」。

今回の講師は、日米での臨床経験を活かし、全国各地で歯科衛生士・歯科医師を対象としたセミナーを行っているフリーランス歯科衛生士の土屋和子先生。

当日の講演のサマリーやライブ配信の様子をレポートします♪

また、今回のセミナーはオンデマンド配信が決定!お申し込み後は90日間見放題ですので、この機会にぜひご活用ください!

※ 質疑応答コーナーはライブ配信限定のため、セミナーの質問は現在受け付けておりません

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人生100年時代で歯科衛生士ができること

超高齢社会となった日本では、寿命の伸びとともに「センテナリアン」と呼ばれる100歳以上の人口も増えています。土屋先生は、健康なセンテナリアンの共通項は「慢性炎症」がないことだといいます。

土屋先生はまず、炎症や感染症の指標となるCRP値やLDLコレステロール値といった、血液検査の結果から「慢性炎症」の一因である歯周病の有無を読み取る方法について解説。

炎症の指標に視点を向け、患者さんへ包括的なアドバイスを行うことは、歯周病治療や生涯に及ぶコントロール(SPT)のモチベーションの維持にも貢献ができると伝えました。

歯周病に関しての最新情報

つづいて、米国歯周病学会(AAP)と欧州歯周病学会(EFP)が2017年に合同開催した学会で発表された歯周炎の分類の改正について解説。

これまで「侵襲性歯周炎」「慢性歯周炎」と2つに分類されていた「歯周炎」が、治療段階(ステージ)と、治癒する可能性(グレード)によって分類されるようになったといいます。

また、土屋先生は歯周炎のリスクファクターに「喫煙」「糖尿病」が追加されたことについて言及。歯周炎のグレードが高くなるにつれて、歯周治療の結果が出にくくなることから、「喫煙」「糖尿病」の影響やリスクを十分に理解して患者さんにきちんと伝えていく必要があると伝えました。

歯周炎の分類の遷移
歯周炎の分類の遷移

糖尿病患者の歯科治療で気をつけるべきこと

糖尿病患者は年々増えており、2014年にはう蝕患者やがん患者よりも多くなりました。厚生労働省が発表した「平成28年 国民健康・栄養調査結果」によると、糖尿病の自覚がありながらも治療を受けていない人の割合が、多い世代では約25%にものぼるといいます。

セミナーでは、糖尿病の発症メカニズムや判定方法だけでなく、糖尿病患者の歯科治療を行う前に気をつけるべきことを説明。

とくに1型糖尿病の場合は、低血糖状態での治療を防ぐため、食事の摂取時間やインスリン注射の状況を事前に確認すべきであるといいます。さらに、低血糖に陥ってしまった時の簡単な対処法も紹介しました。

全身の血管をボロボロにし、様々な合併症を引き起こす「糖尿病」。

チェアサイドでは、歯周病やカリエスが発症・進行しやすいこと、抜歯やインプラントなどの外科処置の後に感染症が起こりやすいことについても伝えていく必要があるといいます。

歯科治療におけるリスクを減らすためのデンタルインタビューについても言及
歯科治療におけるリスクを減らすためのデンタルインタビューについても言及

機器の選択基準と使用方法〜歯ブラシ編〜

土屋先生は日々の歯科衛生士業務に使用する一つ目の機器として、「クラプロックス シリーズ」を紹介しました。

セルフケアの指導は、患者さんが普段使っている歯ブラシの“使い方”を変えるのではなく、使用する“道具”を変える方が、成功しやすいといいます。

また、使用する道具の“使い方”を十分に理解していないと、プラークが除去できなかったり歯肉を傷つける原因となったりと、逆効果になってしまうことがあるという土屋先生。

デモンストレーションやご自身の臨床経験をまじえて、日頃愛用しているCURAPROXの歯ブラシと歯間ブラシ、新製品の音波歯ブラシハイドロソニックプロの使い方や患者さんへの説明方法を解説しました。
(参考:新発売の音波式電動歯ブラシ『ハイドロソニックプロ』とは?

歯面に吸い付くような振動をするモードが搭載されたハイドロソニックプロ
歯面に吸い付くような振動をするモードが搭載されたハイドロソニックプロ

機器の選択基準と使用方法〜超音波スケーラー編〜

メインテナンスにおいて最も重要視しているのは、患者さんの口腔内の状況や生活環境などを知るための時間であるという土屋先生。

限られた時間で大切なことを伝えていくには、タイムマネージメントが重要。効率よく仕事をするためにも、まずは自分の使っている製品の性能や正しい使い方を「知る」必要があるといいます。

今回のセミナーでは、土屋先生が愛用している「Varios Combi Pro(ナカニシ)」を用いて、超音波スケーラーで歯石が取れる原理や、さまざまなチップの性質と使い方について紹介。

また、土屋先生はチップを選ぶ時、「断面」に注意するといいます。実際の症例を挙げ、先生が主に使用する8種類のチップについて、断面の違いや歯石の除去方法を解説。

さらに、うずらの卵を用いたデモンストレーションを行い、安全な角度やパワー、チップの交換時期についても説明しました。

誤った角度で使用した場合の削れ方や摩擦音を確認する様子
誤った角度で使用した場合の削れ方や摩擦音を確認する様子

機器の選択基準と使用方法〜ハンドスケーラー編〜

カミソリで産毛を剃る時の角度と同様に、スケーラーにも安全で効果的な角度があります。シャンク角度の違いや効果的な使用方法をデモンストレーションをまじえて解説。

つづいて、グレーシーキュレットの3つの特徴や、カーバイドバーを使用したシャープニングの方法と角度の覚え方について、ビデオデモをまじえて解説。

実際に土屋先生が愛用している「ノーデント(株式会社ヨシダ)」の種類や角度について、デモンストレーションをまじえて紹介しました。

グレーシーキュレットの使用方法について解説
グレーシーキュレットの使用方法について解説

土屋先生直伝!明日から活用できる診療テクニック

他にも、今回のセミナーでは、土屋先生が日々のメインテナンスで使用している機器や材料、診療のテクニックが多数紹介されました。

まずは、世界的なトレンドであるパウダーメインテナンスについて。エアーポリッシャーは、PMTCでよく使用するラバーカップやブラシとは違い、器械を歯面に接触させることなく、短時間でバイオフィルムを除去することができます。

そんなエアーポリッシャーによる、根面露出やインプラント周囲炎部分のメインテナンス方法も、実際の使用動画を用いて紹介しました。

つづいて、土屋先生がPMTCでおすすめする研磨剤や歯磨剤について、「薬物間相互作用」の影響や実際の使用方法などをデモンストレーションをまじえて解説。

私たちが臨床現場において行いがちな、フッ化物やリンなどが含まれた薬剤や歯磨剤を同時に使用してしまうことは、再石灰化にとって逆効果かもしれないといいます。

講義の最後に、情報に溢れた現代社会と、ストレスが全身に及ぼす影響について解説。歯科においても、はぎしりやくいしばりによる知覚過敏や補綴物の脱離、歯根破折といった、さまざまな悪影響をおよぼしているといいます。

これからの歯科衛生士に求められることは、患者さんを癒すことという土屋先生。

アクセスバーズ®️の効果について解説し、リラクゼーション効果を与えられる歯科衛生士になることの大切さを伝えました。

アクセスバーズ®️の解説
アクセスバーズ®️の解説

質疑応答

今回のセミナーは生放送のため、リアルタイムで講師に質問を送ることが可能。

  • 30分のメインテナンスの流れは?
  • 電動音波ブラシは混合歯列期の小児にも使用してOK?
  • 知覚過敏が強く、超音波スケーリングが難しい場合のアプローチ方法は?
  • なかなか反応がない患者さんへの対応は?
  • 患者さんとのトークがマンネリ化しています…

など、全国の視聴者から多数の質問がよせられました。

質疑応答

オンデマンド配信開始のお知らせ

さまざまな器材のデモンストレーションや、診療テクニックが盛りだくさんの今回のセミナー。

このたび、オンデマンド配信が決定しました!

お申し込み後は90日間見放題。繰り返し復習したり、院内のスタッフさんと一緒に観たり、ぜひご活用ください♪

お申し込みはこちらの画像をクリック
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また、今回はハンドアウトとして、講義で紹介した歯周炎の新分類やインプラント周囲疾患の分類グラフ、各器材のおさらいポイントをまとめた資料をご用意いただきました。

上記ページよりお申し込み後、動画下の『資料ダウンロード』ボタンよりダウンロードしてご活用ください。