トリートメントコーディネーターを育成するTCマスターカレッジ レギュラーコースが開催!

11月24日、東京都内の会議室にて、TCマスターカレッジ レギュラーコースが開催されました。

TCマスターカレッジは、トリートメントコーディネーターとして全国で活躍する歯科衛生士 鈴木誓子さんが校長を務めるスクールで、トリートメントコーディネーターとしてのスキルアップが目指せます。

本拠地である大阪ではすぐに定員がうまってしまう人気のコース。今年からついに東京での開催が決定しました!トリートメントコーディーネーターの資格を持っていない方も受講可能なため、さまざまな職種の方が参加していました。

今回は全5回のコースの中の、2回目の様子を取材してきました!それでは当日の様子をお伝えします♪

TCマスターカレッジ校長 鈴木誓子さん
TCマスターカレッジ校長 鈴木誓子さん

初診カウンセリングを極める!

まずは、トリートメントコーディネーターがはじめて患者さんと顔を合わせる場面である、「初診カウンセリング」について学びます。

鈴木さんは、初診カウンセリングの目的として、以下の3つについて解説しました。

  1. 患者さんを知る
  2. フルマウス検査への誘導
  3. 予防への誘導

① の患者さんを知る上で、重要な役割を果たすのが「問診票」です。

鈴木さんは、問診票から読み取れる情報として、自費率の高い患者さんが来院する時間帯や、問診票の備考欄に記入している患者さんの特徴など、たくさんの例を挙げながら説明しました。

初診カウンセリングでいちばん重要なことは「聴く」ことと話す鈴木さん。

初診カウンセリングを極める!

中でも、患者さんが以前通院していた歯科医院の情報には、たくさんのヒントが隠れているとのこと。

患者さんのことを決して否定せず、オーバーなくらいに共感し、受容することが、信頼を得るためのひとつのステップになるといいます。

呼吸と同じように、患者さんが自分の想いを吐き出せば、その次は自然とこちらの想いを吸収したくなります。鈴木さんは、そのタイミングを見極めて説明することで、こちらの想いが伝わりやすくなると話しました。

初診カウンセリングをロールプレイングで体感!

つづいては、初診カウンセリングを受講生同士で行う実習の時間です。

ロールプレイングの前に、鈴木さんは初診カウンセリングの内容について、細かく解説しました。

TCマスターカレッジで習得するカウンセリングには、それぞれマニュアルがついており、基本的にはそのマニュアルに沿ってカウンセリングを進めていきます。

歯科医院によっては、歯周病の説明は担当歯科衛生士が行うなど、それぞれ決まりごとがあります。そのため、実践するときは歯科医院に合わせて内容をアレンジするようです。

初診カウンセリングで大切なことは、必要な検査や治療を提案した後、「治療するかどうかは○○さんが決めてくださいね」と一度患者さんの逃げ道を作ってあげることだと鈴木さんはいいます。

見本として、TCマスターカレッジの講師による初診カウンセリングの動画を見た後は、いよいよ実習です!

受講生同士でペアを組み、20〜30分初診カウンセリングのロールプレイングを行った後、患者役から、良かった部分だけでなく、良くなかったところも含めてフィードバックを行います。

その後、鈴木さんより改善点についてアドバイスが行われ、TC役と患者役を交代し、再びロールプレイングが行われました。

ロールプレイングの様子
ロールプレイングの様子

2ndカウンセリングのポイントとは?

午後からは、患者さんに対してより詳しい情報を伝える2ndカウンセリングや、パノラマX線写真の読影について学びます。

2ndカウンセリングで重要なことは「伝える」ことと話す鈴木さん。ここでは、患者さんに自らの口腔内の現状を、いかに理解させるかということに力を入れてほしいといいます。

2ndカウンセリングのポイントとは?

そして、2ndカウンセリングを行う上で重要なポイントを7つ紹介しました。

  1. 話をまとめる力
  2. 相手を見極める力
  3. 伝える手順
  4. ユーモアセンス
  5. ツール類の使いこなし方
  6. 見た目(好感度)
  7. 運命

パノラマX線写真を読影するポイントを解説!

つぎに、鈴木さんはパノラマX線写真の読影方法について解説。

う蝕経験の多い患者さんや、歯周病に罹患している患者さんの特徴を紹介し、歯周病に罹患している患者さんにおいては、なにが原因で罹患しているかを見極めるポイントについても説明しました。

パノラマX線写真の読影方法について一通り説明した後は、治療計画を立てる上で使用する「プランニングシート」の書き方を伝え、いざ実習です!

ある患者さんのパノラマX線写真と口腔内写真から問題点を探し、受講生それぞれが治療計画を立てます。

ただし、治療計画、歯科医院や主治医の方針によって変わるため、明確な正解はないとのこと。そのため、実習ではそれぞれの勤務先の治療方針に沿った計画を考えます。

実習で使用したパノラマX線写真
実習で使用したパノラマX線写真

こちらは、鈴木さんが実際にカウンセリングを行った患者さんのパノラマX線写真で、最後には、当時の主治医が立てた治療計画をもとに答え合わせが行われました。

治療計画の立案は、ベストプランで行うべき!と話す鈴木さん。ベストプランとは、目の前にいる患者さんが自分だったら、家族だったらどんな計画を立てるかと考えたときに出てくるプランのことだといいます。

どんな患者さんにも、それぞれのQOLに合わせたベストプランを提案することが重要だと伝えました。

講師とっておきのカウンセリングテクニックを伝授

鈴木さんのカウンセリングには、以下の5つのテクニックが含まれているといいます。

  1. Loss Spiral(ロススパイラル):治療するたびに歯が失われていってしまう悪循環
  2. 歯を失う三要素:う蝕、歯周病、咬合力
  3. 顎模型:1本ずつ歯牙を取り外せる模型で、「見せる」説明ができる模型
  4. 1歯ずつの歯牙分類法:パノラマX線写真をプリントした用紙に書き込みながら行う説明方法
  5. 人生の分岐点トーク:患者さんの人生計画に合わせた治療計画を立てる
「人生の分岐点トーク」について説明する鈴木さん
「人生の分岐点トーク」について説明する鈴木さん

それぞれのテクニックについて詳しく解説した後は、インプラントカウンセリングの内容説明に入ります。

インプラントの歴史や禁忌症を伝え、インプラント埋入前にはかならず全身疾患、服用薬を確認しなければいけないと強調しました。

講演の最後には、鈴木さんが実際に行ったインプラントカウンセリングの生音声を披露!患者さんの心をつかむテクニックや共感する姿勢など、どんな歯科医療従事者でも習得しておきたい技術がみっちりつまったカウンセリングでした。

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こちらのコースは、トリートメントコーディネーターのスキルアップを図るためのものですが、歯科医師や歯科衛生士にとっても学べることがたくさん含まれています。

パノラマX線写真の読影方法や治療計画の立て方については、勤務先によって詳しく教えてもらえないこともありますよね。

そのため、歯科医療従事者としての診断力を身につけたい方や、患者さんへのコンサルテーションに自信がない方には、ぜひ受講していただきたいコースです。

ちなみに、こちらのコースで使用する資料やデータは、すべて持ち帰ることができるとのこと。コースで学んだことを、次の日から歯科医院でそのまま活用できるので、とってもありがたいですよね♪

コースへのお申し込みは、以下の公式HPより受け付けております。

TCマスターカレッジ 公式HPへ
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