誰でもTBIが得意になる!?体感型ブラッシングセミナーが開催

3月21日の木曜日、株式会社ヨシダ本社にて「実習・体感型ブラッシングセミナー 患者さんとのコミュニケーション 本当に取れていますか?」が開催されました。

今回の参加者は約100名。

歯科衛生士さんが多く、中には院長先生と一緒に参加している方や、お友達や同僚などのグループで参加している方もいました。

“予防歯科”において不可欠であるTBI。

このセミナーでは、患者さんが自らの口腔を守れるように導くための教育システム「iTOP」を習得した4名の歯科医師・歯科衛生士により、患者さんに伝わるTBIの方法を紹介していきます。
(参照:iTOP:INDIVIDUALLY TRAINED ORAL PROPHYLAXIS

さっそく当日の会場の様子をお伝えしていきます♪

当日配布されたクラプロックスの製品
当日配布されたクラプロックスの製品

患者さんの行動を変えるための2つのポイント

まずは患者さんとのコミュニケーションのとり方についてのレクチャー。

講師のセオドラ・リトルさんはイギリスとスイスで働く歯科衛生士。また、乳歯の抜歯や歯髄処置もできる「歯科療法士(Dental Therapist)」の資格も持っています。

私たち歯科衛生士は、患者さんの口腔内をきれいにする方法は知っていますよね。それでは、そのきれいな状態を維持してもらう方法はどうですか?

一言で「行動変容」といっても、患者さんの行動の何をどのように変えていきたいのかをよく考える必要があると語るセオドラさん。

そのためには患者さんと医療従事者との上下関係をなくすこと、患者さん本人に選ぶ自由を与えることのふたつが重要といいます。

普段の臨床でセオドラさんは、上手に歯を磨けている患者さんには、盛大に褒めたり、実際にブラッシングを披露してもらったりして、患者さんのモチベーションを高めているそうです。

イギリスとスイスで働く歯科衛生士 セオドラ・リトルさん
イギリスとスイスで働く歯科衛生士 セオドラ・リトルさん

患者さんのモチベーションUPに効果的な教育システムとは?

つづいての講師は、アジア圏唯一のiTOP Teacherである歯科医師の菅原美里先生。

歯科疾患は水の出る蛇口。私たちは水があふれてしまった時だけ拭けばいいのではなく、蛇口の締め方を教えることが重要。

患者さんに正しいプラークコントロールを習慣づけるためのiTOP教育システムと、それに基づいて設計された歯ブラシ「CURAPROX(クラプロックス)」について解説しました。

歯科医療従事者の仕事は、いま健康な人が100年後も健康でいるためにある。最大の予防は年に4回のクリーニングではなく、365日のホームケアだといいます。

iTOP創設者のDr.Jiri(右)が患者さんに歯を磨かせている様子
iTOP創設者のDr.Jiri(右)が患者さんに歯を磨かせている様子

はじまる前から結果が決まっている!?TBIの導入に必要なこと

午前の最後の講師は、iTOP Instructerとして活躍する歯科衛生士の杉山幸菜さん。

まずは患者さん自身に口腔内のことをよく知ってもらい、プラークコントロールの大切さを理解してもらうことが、テクニックよりも重要と話す杉山さん。

TBI導入までの流れについて、たくさんの論文を元に解説されました。

予防システムはスタッフ全員で受講することが大切。そうすることで、みんなで患者さんのセルフケアをバックアップできるんです。

解説の最後に、グループでセミナーに参加することの重要性について、自身の経験をもとに語りました。

院長先生が受講することで、治療で患者さんが来院された時に説明してあげられたり、受付のスタッフが受講することで、待合室で患者さんの相談に乗ってあげたりすることができるといいます。

iTOP Instructorとして活躍する歯科衛生士 杉山幸菜さん
iTOP Instructorとして活躍する歯科衛生士 杉山幸菜さん

講師が実演!ブラッシング指導タイム

午後はインストラクター全員によるブラッシング体験。動画での紹介だけでなく、講師自ら歯を磨きながら、クラプロックスの歯ブラシと歯間ブラシの使い方をレクチャーしました。

一人ひとりに使い方をレクチャーして回る、講師の柿本薫さん
一人ひとりに使い方をレクチャーして回る、講師の柿本薫さん

ブラッシング指導タイム後の講師は、iTOP Instructerとして活躍する歯科衛生士の柿本薫さん。クラプロックスを活用した院内での取り組みを、実際の症例を用いて発表しました。

“Drill Fill Built(削って詰めて請求する)”の治療から予防中心の診療へシフトすることは、患者さんの健康を守るだけではなく、医院経営の安定にもつながると語る柿本さん。

様々な方が来院される歯科医院では、患者さん一人ひとりによって伝える方法を変えることが重要。

柿本さん自身、歯ブラシをおすすめする場合には、写真を見せたり、統計結果を示したり、実際に触ってもらったりと、患者さんによって説明の仕方を変えているといいます。

テクノロジーを用いて患者さんの健康をサポートするアプリ

最後はセオドラ先生による『BOB-Score』の使い方のレクチャー。

『BOB-Score』はおなじみのクラプロックスを販売している、スイスCURADEN AG社が提供しているアプリ。

BOB(Bleeding On Brushing index=歯間ブラシをした時の出血の指数)と適切な歯間ブラシのサイズを記録することで、患者さんの予防に対するモチベーションを上げるために開発されました。
(参照:PREVENTION ONE

このアプリでは、患者さんが簡単に理解できるように、歯牙の状態に「インレー」や「CR」などといった表記はなく、「欠損」「インプラント」「補綴」の3つの内容のみ記録されるとのこと。

また、BOBや歯間ブラシのサイズだけでなく、既往歴なども記録できるそう。セオドラさんは、新しいコミュニケーションツールとして普段の臨床現場で活用しているとのことです。
※ BOBスコアは2019年夏に株式会社ヨシダから発売を予定しております

BOB-Scoreの実際の画面
BOB-Scoreの実際の画面

セミナーの終わりには、講師と交流ができるティーパーティーが開催され、終始大盛況でした。

“患者さんのモチベーションがキープできない”と感じている歯科衛生士さん、おしゃれでかわいいCURADEN AGのシステムを取り入れてみてはいかがでしょうか?

ティーパーティーの様子
ティーパーティーの様子