歯科界の大スター!豪華な講師陣によるスペシャル1Dayセミナー「歯科医が感染症医となる日〜Final Stage〜」が開催

日本アンチエイジング歯科学会は11月28日、スペシャル1Dayセミナー「歯科医が感染症医となる日〜Final Stage〜」をWEB配信によって開催しました。

今回のセミナーには、認知症専門医の長谷川嘉哉先生と、大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教室教授の天野敦雄先生、糖尿病専門医の西田亙先生といった、歯科界の大スターといっても過言ではない、豪華な講師が一挙登壇!

当日参加できなかった方は、12月12日までに申し込みを行えば、見逃し配信が視聴できますよ♪

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オープニングで挨拶を行うアンチエイジング歯科学会の松尾通会長
オープニングで挨拶を行う松尾通会長

医科歯科連携は「ない人」にしかできない!/長谷川嘉哉先生

認知症専門医の長谷川先生は、冒頭に「あなたは、ある人?ない人?」という質問を投げかけました。

自分が「ある人」か「ない人」なのかを知ることで、自分の考えにブレがなくなったと話す長谷川先生は、ある人とない人の概念について詳しく話しました。

この概念は、北端康良氏の著書『才能が9割(経済界)』に掲載されており、まずはそれぞれの特徴や傾向について解説しました。

その後、セミナー受講生に自分がある人かない人かを考えさせた上で、今回のセミナーへの取り組み方についてアドバイスを行いました。

そして、今回の講演の本題である医科歯科連携について、長谷川先生自身が具体的に行動した実例を紹介。

まずは、自院に歯科医を誘致した方法や運営のシステム、集客のむずかしさなどについて解説しました。

一方で、医科歯科連携を行ってからは、医科と歯科の予約を同日に行えることで、認知症患者のご家族に大変喜ばれることが増えたと話しました。

次に、長谷川先生が普段行っている医科歯科連携の取り組みを5つ紹介。それに加え、在宅医療における医科歯科連携の内容や、その効果についても説明しました。

また、医科歯科連携を行うのであれば、国の方針を理解する必要があると話す長谷川先生。

国の方針を理解した上で考えると、医科は強化型在宅療養支援診療所、歯科はかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所でなければ、医科歯科連携を行う資格はないのではと問いかけました。

長谷川先生は、“医科歯科連携は、ない人にしかできない”と言います。どんな苦難な場面でも行動することをやめない、本気で取り組みたいというエネルギーをもつ人ができることと話しました。

長谷川嘉哉先生
認知症専門医 長谷川嘉哉先生

人生100年時代に必要な「生涯28」運動/天野敦雄先生

大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教室教授の天野先生は、まずはじめに歯科医療の歴史について紹介。

中世ヨーロッパの時代から日本の昭和時代まで、その時代ごとの歯科治療の内容や特徴を説明しました。

昭和時代の歯科医院では、治療が終わると「むし歯治ったよ〜!痛くなったらまたきてね。」という声かけがよく行われていたといいます。

しかし、う蝕と歯周病は口腔内の常在菌による感染症のため、決して完治することはないと言う天野先生。

今後は、日本人が迎えるといわれている「人生100年時代」を見据えて、「8020運動」ではなく「生涯28」といった、すべての永久歯がそろった健康な口腔内を生涯保つという目標にするべきと話しました。

そしてそのためには、歯科医療従事者だけでなく患者さん自身に、なぜ口腔内を健康に保つと良いのかということを正しく理解してもらう必要があると説明しました。

その後、う蝕と歯周病の最新の病因論や、歯周ポケットの中を可視化した動画を紹介しました。

患者さんへの説明をアップデートするためにも、ぜひ確認しておきたい内容です!

天野敦雄先生
大阪大学大学院歯学研究科予防歯科学教室教授 天野敦雄先生

全身と口腔がつながる時代の到来/西田亙先生

糖尿病専門医の西田亙先生は、冒頭に「令和の時代は、炎症を通じて口腔と全身がつながる時代。そのため、口腔内だけでなく全身にも配慮ができるような歯科医療が求められる。」と話した。

今回のセミナーでは、歯周病原菌があらゆる場所で炎症を起こしたときに引き起こされるという「新型コロナウイルス感染症」「糖尿病」「アルツハイマー」といった3つの疾患について詳しく解説しました。

まずは新型コロナウイルスについて。

西田先生は、今年に入ってから、「新型コロナウイルスは口腔内で増殖する」ということが数多くの研究で実証されたと話し、さまざまな論文を紹介しました。

新型コロナウイルスはインフルエンザに比べると、マスク・手洗い・うがいでは防げない感染症であると西田先生は言います。

そのため、新型コロナウイルスの予防には、口腔衛生管理と唾液分泌促進を行うことが重要と話しました。

次に西田先生は、糖尿病の診断基準について解説。

日本では糖尿病を診断する時、HbA1cや絶食時血糖、随時血糖などの値によって診断します。そして、それらの数値が基準値よりも、1低い数値であれば糖尿病ではないということになります。

一方で、米国糖尿病学会では、糖尿病患者の予備軍を「前糖尿病」と診断。基準値に達していないからといって「健康」ではないと見なされています。

「病気」と「健康」の間にある「未病」という考えをもつ東洋医学的なとらえ方をすることは、医療従事者にとって非常に重要であると西田先生は話しました。

最後のトピックスであるアルツハイマーについては、2019年に発表された“P.gingivalisが分泌するタンパク分解酵素「ジンジパイン」がアルツハイマー患者の海馬に固定される”という研究について詳しく紹介。

さらに、アメリカではジンジパイン阻害薬の臨床試験がはじまったとのこと。

西田先生は、「日本国民が歯周病に覚醒する日がついに到来しましたよ!」と言い、今回のセミナーを締めくくりました。

西田亙先生
糖尿病専門医 西田亙先生

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セミナーの最後には、講師3人が参加するシンポジウムも行われました。

豪華な先生同士の熱いフリートークは歯科医療従事者必見の内容です!ぜひ最後までチェックしてみてくださいね♪

歯科医が感染症医となる日
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