男性歯科衛生士について調べてみました!

みなさんは、男性の歯科衛生士さんに会ったことがありますか?

歯科医院で働いている、スタッフさんや患者さんの多くは、「歯科衛生士=女性」というイメージを持っていると思います。

しかし近年、歯科衛生士養成課程を新設する4年制大学が増えており、男性で歯科衛生士を目指す学生も少しずつ増えてきています。
(参照:明海大学も新規開設!4年制大学による歯科衛生士養成課程を徹底解説!

そこで今回は、厚生労働省のデータを元に、男性歯科衛生士について詳しく調べてみました。

男性歯科衛生士

そもそもいつから男性が歯科衛生士になれるようになったの?

“男性も歯科衛生士になれる”ということを、ここ数年の間に知った方も多いかと思います。

しかし、1948年に「歯科衛生士法」が制定された当初から、すでに男性も歯科衛生士になることができたそうです!

「歯科衛生士法 第二条」の冒頭に、このような一節があります。

この法律において「歯科衛生士」とは、〜(中略)〜歯牙及び口腔の疾患の予防処置として次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

これが1955年の歯科衛生士法改正時に、以下の表記に変わっています。

歯科衛生士は、その業務の性質上現在女子のみであるが、〜(中略)〜歯科衛生士の免許は女子に与えることを建前としたものであること。

なお、男子については保健婦助産婦看護婦法における場合と同様に歯科衛生士法附則第二項に準用規定を設けるとともに、歯科衛生士法施行令及び規則に所要の整理を加えたものであること。

この改定によって「女子のみ」という部分が強調されたことにより、「歯科衛生士=女性」というイメージがつきやすくなったのではないでしょうか。

そしてもっとも最近改正が行われた2014年には、また「業とする者」という表記に戻っています。

しかし、法律的には可能であったとしても、歯科衛生士学校に入学する条件として、入学者は女子のみとしていた学校がほとんどです。

まとめると、最初から男性も歯科衛生士になれた!ということが正しい答えとなります。
法律上の規制というよりは、歯科衛生士学校への入学条件がここ数年で緩和されてきたということではないでしょうか。

男性歯科衛生士って何人くらいいるの?

それでは、実際に現役で働いている男性歯科衛生士は全国でどれくらいの数いるのでしょうか。

平成28年度の厚生労働省のデータによると、現在、臨床現場で働いている男性歯科衛生士の数は、全国で77名でした!

平成28年12月31日時点の、全国の歯科衛生士数は12万3,831人でした。
そのうちの77人ということは…

77÷123,831×100≒0.06%

男性歯科衛生士は全国の歯科衛生士の中でも、たった0.06%しかいない、とっても貴重な存在だということになります!

つづいて、年齢分布を調べてみました。

男性歯科衛生士 年齢別グラフ
平成28年度衛生行政報告例 第3章 1.就業歯科衛生士数,就業場所・性・年齢階級別 より編集

ご覧の通り、男性歯科衛生士の約6割を20〜30代が占めています。

また、60歳以上の男性歯科衛生士も全体の約1割存在していることがわかりました。
例えば、長年歯科技工士として働いてきた男性が、ダブルライセンスとして歯科衛生士の免許を取得するというケースなどが増えているのかもしれませんね。

男性歯科衛生士はどこで働いているの?

つづいて、男性歯科衛生士の勤務先を調べてみました。
こちらも厚生労働省のデータ(平成28年度)をまずご覧ください。

男性歯科衛生士 就業場所別グラフ
平成28年度衛生行政報告例 第3章 1.就業歯科衛生士数,就業場所・性・年齢階級別 より編集

約8割が歯科診療所、約2割が病院で勤務していることがわかりました。

超高齢社会により、介護を必要とする患者さんが増えています。
総合病院などの現場では、力のある男性がとても重宝されるのかもしれません。

今後は、ますます医科歯科連携が必要となり、訪問歯科を取り入れる歯科医院もどんどんと増えていくでしょう。

各地の歯科医院で男性歯科衛生士の活躍が見られる日も、そう遠くないかもしれません。

男性歯科衛生士が必要とされてきています!
男性歯科衛生士が必要とされてきています!