こんにちは、一般社団法人オーラルビューティフード協会 代表理事の清水百合です。
(参照:オーラルビューティフード協会とは-一般社団法人オーラルビューティフード協会)
子どもも大人も口腔の健康維持と全身管理のために、治療だけでなく口腔内外筋のトレーニングや口腔疾患や症状、全身状態を考えた食事、栄養素の摂取が必要です。
口はすべての入口で、呼吸や声を出し話したり歌ったりの意思表示をするところ。
そして皆さんご存じのように、摂食、咀嚼嚥下し、生きるエネルギーとなる食物を体内に取り込みます。
食べて身体が栄養として用い、最後に排泄するまでの全部が大事・・・
ということで、オーラルビューティフード協会では、口腔機能と栄養学の基礎を学べる「口腔食育アドバイザー資格取得講座」を2020年に実施いたしました。
(参照:口腔食育アドバイザー資格取得セミナー-一般社団法人オーラルビューティフード協会)
このような取組みは協会設立前から行っていますが、胎児〜高齢者までのさまざまな患者様へお伝えできること、院内スタッフが元気でキレイに活躍できることを願い、認定制度を設けて一緒に学んでいます。
当日は、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、会場は少人数制にし、オンライン参加も可能にしました。
今回は歯科従事者や介護、福祉関係の方のほか、保育士栄養士にも活用していただきたいと考えていましたが、ご受講者はまさに多岐にわたる職業の方々でした。
当日の講義を一部ご紹介いたします。
口腔食育アドバイザー資格取得講座
はじめの講義は、自らのDVD「Dr.清水百合の歯科治癒食育学」から抜粋した「食事療法」の話。
母乳、離乳食、エイジングケア、機能性を考慮した低栄養予防の食事など・・・
口腔×食は、子どもの成長発育から成人の生活習慣、高齢者の問題まで、どの年齢においても考えなくてはならない項目です。
実は、食物摂取(=離乳食)を開始する頃には、遺伝子検査が可能です。
きちんとした検査をすることで、生まれ持って足りない部分を遺伝学的体質として知り、成長発育を見守る。つまり不足栄養素を補うことで生活能力、機能を発揮できるように導くことができます。
エイジングケアは成長後の大人の話ですが、子どもの頃出会わなかった食材を苦手とした結果、食バランスが崩れてメタボに陥ってしまうことがあります。
また、健康維持のためには、口腔ケアだけでなく食生活の改善を必要とします。
今回の講義では、「未病から予防の東洋医学、発症後の治療は西洋医学」について一緒に考えました。
つづいての講義は、東京歯科大学名誉教授の山根源之先生から「フレイルと口腔がん」について。
超高齢社会において口の機能が衰えるオーラルフレイルは、唇をとじて噛む、飲み込む力が衰えるなど、栄養摂取が難しくなることに繋がります。
口輪筋や咀嚼筋が衰えないよう、ごくんの力が弱くならないようにするためには、口を動かすトレーニングや散歩歩行訓練の他にも、タンパク質やコラーゲンの摂取といった食習慣も大事です。
また、口腔がんは早期発見されにくく、死亡率が高いがんです。定期的な歯科検診も、これからの課題でしょう。
最後の講義では、俳優で介護ヘルパー2級の金田賢一氏より、呼吸法や発声発語のワークショップ体験が行われました。
まずはやってみることが大切。オンライン参加者の画面からも、真摯に受け止め実践して下さっている姿が見られ、嬉しく拝見していました。
受講者コメント
ご受講者は全国各地の医院で勤務されている方が多数。
院内外や往診先の患者様に役立てられることを学んで下さり、頼もしい方々ばかりです。
講座修了後、アドバイザー資格を取得された方から、ご感想や実践報告をいただきましたので、一部をご紹介いたします。
口腔食育アドバイザーの資格を取得して、歯科診療、衛生指導、またはヨガのレッスンの際、口と全身の関係からお話ししています
山川智子(歯科衛生士、ヨガインストラクター)
多形態の往診先へ訪問しています。最後まで食べられる口を目指し、内科主治医、管理栄養士、ケアマネと連携する中、たとえば甘味料ひとつであっても百合先生の講座は奥深く、資格取得講座にある口腔機能トレーニングや呼吸法なども、嚥下や摂食に大変役立ちます
荒木智子(歯科衛生士)
歯科では糖質依存で歯に対するむし歯や歯周病からの全身への影響を。口腔エステでは、タンパク質の摂取量を増やすことで、コラーゲンが増え、肌が蘇ったことや歯ぐきの弾力・引きしまりが良くなることをお伝えしたいと思います
中川朋子(歯科衛生士)
食品多様性の向上を目標に、調理の仕方や食べ方の工夫、状況に合わせ指導することで、患者さんの健康をサポートしています
嶋倉寿恵(歯科助手 受付)
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2020年はコロナ禍ということもあり、口腔ケアと感染予防食の勉強もしました。
オーラルビューティフード協会では、来年も皆様と歯科業界からの健康増進、予防医療を広めていけたらと思います。