トリートメントコーディネーターってどんな資格?

日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在しますが、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。

これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度ですが、「学会認定資格」や「協会認定資格」など、自身のスキルアップのための資格がたくさん制定されています。

今回はたくさんある資格のうち、特に歯科衛生士さん・助手さん向けの資格「トリートメントコーディネーター」について、徹底解説しますよ!

*この記事は2022年12月12日に更新しました

[目次]
1.トリートメントコーディネーターとは?
2.トリートメントコーディネーターの業務
3.認定資格の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について
5.トリートメントコーディネーターの働き方

1.トリートメントコーディネーターとは?

トリートメントコーディネーター(以下、TC)とは英語で「Treatment Coordinator」と表記し、「TC」ともよばれています。

アメリカではすでに確立している資格ですが、現在の日本では資格がなくても「TC」を名乗ることができます。

認定資格としては、主に日本歯科TC協会や日本歯科厚生協会(TCマスターカレッジ)が制定していることで広く認知されています。

歯科衛生士はもちろん、歯科助手の方も取得することができる資格です。

dStyleでは、実際に資格をお持ちの方の声やインタビューなど、TCに関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧ください♪

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2.トリートメントコーディネーターの業務

歯科医院では、主に歯科医師による「治療」や、主に歯科衛生士による「予防」について、どのように治療するのか、どうして予防が必要なのかといったことを患者さんに説明し、了承を得る場面がたくさんありますよね。

TCは、その「説明」のプロのことを指します。

別の言い方をすると、歯科医師の先生と患者さんの間に立って、お互いが納得できるように説明をする「架け橋」のような役割を担うことができます。

先生が丁寧に説明してくれたけど、忙しそうだから追加で聞きたいことを聞けなかったわ…

なんていう患者さんの本音を聞いたり、治療に関するカウンセリングを行ったり。また、先生に代わって補綴物の材料や費用についての説明を行うことなどが、主な仕事として任されています。
* 歯科医院によって業務内容は異なります

それぞれの資格やステージごとに詳細は異なりますが、基本的には患者さんとのコミュニケーション能力が必要になります。日常の業務や普段の生活でも役立ちそうですね。

そして説明のプロですから、歯科に関わる最新知識や情報、医院で取り扱っている補綴物の種類や違いなどもしっかりと把握しておかなければなりません。

TCは「チーム医療」のまとめ役として、スタッフみんなの中心として活躍できる資格です。

トリートメントコーディネーターの業務

3.認定資格の申請に必要な条件

各講習会は歯科衛生士や歯科助手、歯科医師などといった歯科医院に勤務している方や、歯科医療関連業務に従事している方であればどなたでも受講可能です

4.資格のとりかた・費用について

代表的なTCの資格取得をできる団体は以下の二つです。

  1. 日本歯科TC協会(JADTC)
  2.  TCマスターカレッジ

それぞれの資格のとりかたと費用についてご紹介します。

① 日本歯科TC協会(JADTC)

「患者コミュニケーション」「最新治療、最新予防」「医院経営」についての講習会を受けます。各々のキャリアプランに合わせて4つのクラスが制定されており、次のステップを踏んで上級クラスを目指します。
(参照:トリートメントコーディネーター資格認定制度について-日本歯科TC協会

TC資格認定制度の特徴(画像は日本歯科TC協会HPより引用)

日本歯科TC協会でTCの資格を取得する場合、まずはActivity Leader(AL)の取得からはじまります。

講習会参加費は12,100円、受験費は6,600円(同会会員の方は無料)。テキストを持っていない方は別途2,970円を支払います。

基本的には1日の講習を受けて、講習最後に行われる認定試験に合格後、資格登録費用 10,000円を支払ったら、あなたはもうAL資格取得者です!

後日協会から、認定資格証明書とIDカード、ピンバッジが送られてきます。

認定講習スケジュールはこちら
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また、JADTCの資格は、5年ごとに更新が必要で、更新費用は10,000円です。

費用も登録料込みで3万円弱ですので、勤務先によっては補助がある場合や、歯科医院が施設会員となっており、勤務スタッフが無料で受講できる場合もあるようです。

資格を取った次の日からクリニックで活用できますよ。

資格の更新について

JADTCの資格は、5年ごとに更新が必要で、更新費用は10,000円です。

② TCマスターカレッジ

一般社団法人日本歯科厚生協会(JDWO)が運営する、現役TCによるTCのための、カリスマTCを目指す少人数制スクールです。

TCマスターカレッジでTCの資格を取得する場合、「TCレギュラーコース」を受講します。

カリキュラムは全5回。TC業務の概要からさまざまなシーンでのカウンセリングのポイントを学ぶだけでなく、ロールプレイを行ったり、講師と患者さんとの実際の会話の音声を聞いたりと、翌日から即実践できるテクニックをレクチャーしてもらえます。

コース5回目に行われる認定試験に合格したら、カリスマTCの資格が授与されます。

費用は349,800円。同じ歯科医院のスタッフが2名以上同時に受講する場合は、一人あたり294,800円で受講可能です。

同会ではTCレギュラーコースの他、歯科の知識を学べるベーシックコースや、後輩育成ができるようになるアドバンスコースなどが用意されており、TCとして臨床に直結した内容だと評判です。

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5.トリートメントコーディネーターの働き方

今回、日本歯科TC協会のBasic Instructor の資格と、日本歯科厚生協会のカリスマTCの二つの資格をもつ歯科助手さんにお話を伺ってきました♪(個人の感想です)

なぜ資格をとろうと思ったんですか?

高校を卒業してからずっと歯科助手として働いてきましたので、何か肩書きがほしかったのと、もっと患者さんとコミュニケーションをとりたいと思ってチャレンジしました。

資格をとるまでの勉強は大変でしたか?

いえ、基本的には両方の資格とも、しっかり講義を聞いて理解できれば問題なく資格を取得することができました。

二つの資格に違いはありますか

日本歯科TC協会は、カウンセリングなど基本的な内容をしっかりと教えていただけます。

カリスマTCはより臨床に即したもので、自費コンサルや患者さんとのコミュニケーション環境づくり、実際のアクシデント対応なんかも教えていただきました。

どちらにしても、同じTCの方と会ってすごく刺激になりましたし、情報共有できる場になって楽しかったです。

TCとして目標はありますか?

患者さんって結構不安に思っている方がすごく多いので、それを払拭できるような仕事をしていきたいです。

おまけ*事務長さんの声

TCの資格を持っている歯科衛生士や歯科助手は、やはり面接の際にも魅力的です。

TCはその資格を取得しただけではなく、そこからいかに患者さんのお話や悩みを聞いてきたのかによって(経験によって)仕事内容に差はありますが、基本を習ってくれている点で、とても安心して仕事を任せることができています。

***

コミュニケーションスキルを極め、説明のプロとして活躍できるTC。

日々の診療のスキルアップとして、自信にもつながる資格なのではないでしょうか?まずはセミナーや講習会を受けたり、受講生の声を直に聞いてみたりするのもいいかもしれませんね。

応援しています!

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