日本小児歯科学会認定歯科衛生士ってどんな資格?

日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在し、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。

これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度です。しかしその他にも、「協会認定資格」「学会認定資格」など、自身のスキルアップのための資格がたくさん制定されています。

今回はたくさんある資格のうち、とくに日本小児歯科学会認定歯科衛生士の資格について、徹底解説しますよ!

[目次]
1.日本小児歯科学会認定歯科衛生士とは?
2.日本小児歯科学会認定歯科衛生士の業務
3.認定資格の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について

1.日本小児歯科学会認定歯科衛生士とは?

公益社団法人 日本小児歯科学会が設けている「学会認定資格」で、2019年11月現在、全国各地47都道府県で119名の方が取得されています。

小児歯科医療にかかわる多くの歯科衛生士が、技能レベルの向上を目指し、自身の役割を理解することを目的に制定された、歯科衛生士の認定制度です。

日本小児歯科学会認定歯科衛生士とは

2.日本小児歯科学会認定歯科衛生士の業務

小児患者さんのう蝕予防処置やメインテナンスだけでなく、MFT(口腔筋機能療法)により、小児の口腔機能発達不全症の予防や、歯列不正の改善に努めます。

平成30年の診療報酬改定により、口腔機能発達不全の小児の診断や治療が保険診療で行えるようになりました。

そのため、口腔機能の異常を早期に発見できる歯科衛生士がますます求められています。

3.認定資格の申請に必要な条件

認定資格の申請には、以下の条件を満たしている必要があります。

  1. 歯科衛生士の免許証を有すること
  2. 通年5年以上の小児歯科学に関する研修と臨床経験を有する者またはこれと同等以上の経験を有すると認められる者
  3. 認定歯科衛生士の認定申請時において、1年以上引き続いて学会会員であること
  4. 学会(全国大会、地方会大会)へ1回以上出席していること
  5. 認定歯科衛生士申請時に教育研修単位30単位以上を有するもの
    ( 公益社団法人 日本小児歯科学会認定歯科衛生士制度規則より抜粋)

上記の条件をすべて満たし、書類審査や学会での発表を経て、理事会の承認を得る必要があります。

4.資格のとりかた・費用について

上記の申請条件を満たせば、認定歯科衛生士委員会による書類審査を受けることができます。このときに認定申請料として、10,000円を事務局に支払います。

書類審査に合格した後は、認定審査料として20,000円を支払い、日本小児歯科学会の全国大会または地方会大会で、ケースプレゼンテーションかポスター発表を行います。

発表後に理事会の承認を得られれば、晴れて認定歯科衛生士です!認定登録料としては10,000円が別途必要です。

書類審査

2年以上のメインテナンスまで進んでいる、小児患者を5症例提出します。

提出する症例には初診時、メインテナンス時の口腔内写真や歯式を添付しなければいけません。初診時とメインテナンス時では、提出する資料の内容が違うため、注意が必要です。

口腔内写真は原則として正面観、左右側方面観、上下咬合面観の5枚を提出します。ただし、すでに治療が終了している症例では、正面像あるいはメインとなる部分の写真があれば、最低1枚でも提出可能とのこと。

申請書や資料作成の詳細はこちら

日本小児歯科学会認定資格のとりかた・費用について

資格の更新について

日本小児歯科学会認定歯科衛生士の認定期間は5年間とされています。

次の更新時期までの5年間に、歯科衛生士委員会が主催する更新必須研修セミナーに1回以上または地方会大会が主催する必須研修セミナー等に2回以上出席、さらに学術大会へ3回以上出席する必要があります。

また、学会での症例発表や論文発表、雑誌等の執筆のいずれかを行うことが義務づけられています。認定更新の申請は、認定失効期日の1年前から行うことができるため、早めに準備しておくことが大切です!

更新についての詳細はこちら

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いかがでしたか?

日々の診療のスキルアップとして、自信にもつながる資格ではないでしょうか?

まずは学会に入り、会員の方や認定歯科衛生士の方の声を直に聞いてみるのもいいかもしれませんね♪

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