歯並びコーディネーターってどんな資格?

日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在し、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。

これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度です。しかしその他にも、「協会認定資格」「学会認定資格」など、自身のスキルアップのための資格がたくさん制定されています。

今回はたくさんある資格のうち、特に歯科衛生士・歯科助手向けの資格「歯並びコーディネーター」について、徹底解説しますよ!

[目次]
1.歯並びコーディネーターとは?
2.歯並びコーディネーターの業務
3.認定資格の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について
5.歯並びコーディネーターの働き方(coming soon)

1.歯並びコーディネーターとは?

歯並びコーディネーターとは、特定非営利活動法人 日本成人矯正歯科学会が認定している「学会認定制度」で、全国に1,400人以上もいる、人気のある資格です。

患者さんをはじめ、一般の方に歯科治療を正しく理解してもらい、さらに、身近な相談相手としてアドバイスできる人材を育成するために制定されました。

2.歯並びコーディネーターの業務

矯正治療をはじめる際は、事前に患者さんにきちんと“説明”して、納得していただかなければいけません。

歯並びコーディネーターはその“説明”のプロのことを指します。

別の言い方をすると、歯科医師の先生と患者さんの間に立って、お互いが納得できるように説明をする“架け橋”のような役割をします。

一般的な治療と比べ、患者さんと長期的なお付き合いとなる矯正治療では、正しい知識を伝えられる歯並びコーディネーターが、とても重要な役割を担っているといえるでしょう。

歯並びコーディネーターの業務

3.認定資格の申請に必要な条件

歯並びコーディネーターの認定制度は、日本成人矯正歯科学会の会員だけでなく非会員の方も対象としています。

また、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士といった国家資格をもった職種だけでなく、歯科助手や受付などのコデンタルスタッフも、歯並びコーディネーターの資格を取得できます。

歯並びコーディネーターの認定資格の申請には、以下の条件のいずれかを満たしている必要があります。

  • 日本国内において矯正歯科医療に専従している者
  • 日本国内において歯科医療、および矯正歯科医療にも従事している者
  • 日本国内において矯正歯科医療に関連する専門的職務に従事している者
  • 日本国内において矯正歯科に関連した口腔保健に関連する職務に従事している者
  • 日本国内に在住し、歯並びコーディネーターとして上記の要件を満たす者

上記の条件いずれかを満たし、必要書類の提出を行えば、歯並びコーディネーター委員会による研修会や審査を受けることができます。

4.資格のとりかた・費用について

研修会は、以前まで実地開催されていましたが、2021年よりオンデマンド配信で開催されるようになりました。研修会費は15,000円(税込)で、ここに審査料も含まれています。

資格取得には配信終了後に受験するWebの記述式テストに合格する必要があり、合格したら認定登録を行います。登録料は6,000円(2022年10月現在)。なお、日本成人矯正歯科学会会員および準会員の場合は登録料が免除されます。

申し込み方法

研修会の申し込みは、FAXまたは学会公式HPに掲載されている「申し込みページ」より行います。申し込み後は、配信会社への登録(無料)も必要となります。

定員は200名。研修会は例年9月に行われていますので、受験を希望する方は学会の公式サイトをチェックしてみてくださいね。

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認定資格取得までの流れ

認定手順は以下の通りです。

  1. 書類提出
    ● 歯並びコーディネーター認定研修会・審査申請書
    ● 各種免許証、資格証等の写し(医療、教育関係等)
  2. 研修会:オンデマンド配信にて5時間の研修を受講
  3. 認定審査:研修内容から、4肢択一式テストを実施
  4. 認定登録:合格者には登録後、認定証と認定バッジを送付

まずは日本成人矯正歯科学会主催の研修会にて約5時間の講演ををオンデマンド配信で受講します。

講師は学会所属の名だたる先生方ばかり。歯科治療で改善できる歯並びや、歯並びの基礎、歯並びと顔貌との関係、矯正歯科治療について、カウンセリング、Q&Aといった内容を受講します。

講演後は、約50分間の4肢択一式テストを受けて、合格すれば認定登録をすることができます。テスト内容は、① の研修会で学んだ範囲から出題されます。

こんな本も販売されていますよ!

やさしくわかる矯正歯科治療 第2版 歯並びコーディネーター入門書
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資格の更新について

歯並びコーディネーターの認定期間は5年間

認定期間中に、学会主催の大会やセミナーへの参加、学会発表などで得られる「研修ポイント」を20点以上取得する必要があります

更新時には、以下の書類を委員会に提出します。
1. 歯並びコーディネーター更新申請書
2. 研修ポイントの取得を証明する書類(資格証交付日以降の研修で累計20点以上必要)
3. 更新手数料の振込受領書のコピー
4. 歯並びコーディネーター認定証のコピー

更新手数料は6,000円。なお、日本成人矯正歯科学会会員の場合は3,000円です。

更新に必要な書類はこちら

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近年ますます注目を集める矯正治療。歯並びコーディネーターは先生と患者さんを繋ぐ架け橋として、とても重要な役割を担う存在です。

歯科衛生士だけでなく歯科助手や受付のみなさんにとっても、患者さんとの架け橋となれる資格は、自信に繋がる資格なのではないでしょうか。

まずはセミナーや講習会を受けたり、受講生の声を直に聞いてみたりするのもいいかもしれませんね。

応援しています!

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