日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在し、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。
これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度です。しかしその他にも「協会認定資格」「学会認定資格」など、自身のスキルアップのための資格がたくさん制定されています。
今回はたくさんある資格のうち、とくに日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士の資格について、徹底解説しますよ!
1.日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士とは?
2.日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士の業務
3.資格取得の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について
5.日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士の働き方(Coming soon…)
1.日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士とは?
一般社団法人 日本歯科麻酔学会が設けている「学会認定資格」で、2021年7月現在、全国各地47都道府県で117名以上の方が取得されています。
地域社会の歯科医療における安全性の向上に貢献することを目指して、歯科診療における全身管理に関連する領域で、チーム医療に参加できる知識と技能を持つ歯科衛生士を育成することを目的に制定された認定資格です。
2.日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士の業務
日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士には、歯科治療時の各種麻酔や全身管理、救急処置に関する知識と技能を修得しようと、積極的に自己研修を行うことが求められています。
そのため、全身麻酔や鎮静時の診療補助、有病者歯科治療時の全身管理の補助、全身的偶発症発生時の救急処置の補助などを行うことができるようになります。
昨今の超高齢社会の進行にともない、歯科に来院する患者さんについても、なんらかの疾患を抱えている方が増えつつあります。
全身管理や救急処置に関する知識を持つ日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士は、これからの歯科界において、就職に有利な資格のひとつといえます。
3.認定資格の申請に必要な条件
認定資格の申請には、以下の条件を満たしている必要があります。
- 日本国の歯科衛生士の免許証を有するもの
- 学会が認める研修カリキュラムにしたがい歯科麻酔の研修をしたもの
- 学会認定医が認定歯科衛生士の申請を認めたもの
- 申請の時点で継続して1年以上本学会正会員であるもの
- 学会が開催する学術集会、研修会、または学会認定関連団体が開催する学術集会に学会入会以後、申請日までに1回以上出席していること
(一般社団法人 日本歯科麻酔学会 認定歯科衛生士制度規則より抜粋)
研修カリキュラムは、歯科診療における全身管理に関連する領域で、チーム医療に参加できる知識と技能を修得することを目的として編成されています。現在は、以下の4項目が含まれています。
- 患者の全身状態の評価と管理の補助
- 歯科診療時のバイタルサインの評価
- モニタリングの方法
- 救急蘇生法
(一般社団法人 日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士制度施行細則より抜粋)
このように、日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士の資格を取得するには、麻酔の知識だけではなく、全身管理や救急処置のスキルを身につけることが求められています。
4.資格のとりかた・費用について
上記の申請条件を満たせば、認定資格取得に必要な書類審査を受けることができます。
審査は年に1回実施予定。申請時には申請料として10,000円、合格発表後には登録料として10,000円を認定歯科衛生士審査委員会に支払う必要があります。
書類審査
まず、書類審査に必要な以下8つの書類を揃えて、認定歯科衛生士審査委員会に送ります。
- 認定歯科衛生士申請書
- 履歴書
- 研修証明書
- 認定歯科衛生士申請許可書
- 学会が開催する学術集会、研修会、または学会認定関連団体が開催する学術集会の参加証明書
- 救急蘇生講習会受講修了証のコピー
- 症例一覧表
- 症例報告書
申請書類はすべて決まったフォーマットが用意されています。
申請書類のダウンロードはこちら
書類審査に合格後、筆記試験と口頭試問が行われます。
試験に合格すれば、認定証が交付されます。さらに希望者にかぎり、日本歯科麻酔学会のホームページに氏名や所属の都道府県が掲載されます。
資格の更新について
日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士の認定期間は5年間とされています。
資格更新の認定を受ける場合は、更新審査料10,000円と以下の書類を認定歯科衛生士審査委員会に提出します。
- 更新申請書
- 履歴書
- 最近5年間の学会年会費納入証明書
- 申請証の取得にかかわる研修会の単位証明書
更新の詳細・必要単位はこちら
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昨今の超高齢社会の進行にともない、歯科の患者さんにおいても、高齢の方や有病者、在宅診療の方が増えつつあります。
包括的な知識を学べる日本歯科麻酔学会認定歯科衛生士は、自信にもつながる資格なのではないでしょうか?
まずはセミナーや講習会を受けたり、受講生の声を直に聞いてみるのもいいかもしれませんね。
応援しています!