日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在し、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。
これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度です。
しかしその他にも「協会認定資格」「学会認定資格」など、自身のスキルアップのための資格がたくさん制定されています。
今回はたくさんある資格のうち、歯科感染管理者の資格について、徹底解説しますよ!
1.歯科感染管理者とは?
2.歯科感染管理者の業務
3.資格取得の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について
5.認定歯科衛生士の働き方(Coming soon…)
1.歯科感染管理者とは?
日本・アジア口腔保健支援機構が設けている認定資格で、「第一種歯科感染管理者」と「第二種歯科感染管理者」の2種類があります。
歯科医療現場において高度な感染制御知識を習得し、それを実践できる人材を養成することを目的としている資格です。
(参照:感染管理者とは-NPO法人 日本・アジア口腔保健支援機構)
第二種歯科感染管理は、歯科に特化した感染制御知識の習得とモチベーションの向上を目的としています。
それに加え、第一種歯科感染管理者は、歯科感染管理における臨床現場での実務のスキル向上を目的としています。
そのため、第一種の資格を持っていると、「感染管理マニュアル」を作成し、実践できるようになります。
(参照:第一種歯科感染管理者資格概要-NPO法人 日本・アジア口腔保健支援機構)
2.歯科感染管理者の業務
歯科治療はインプラントや歯周外科以外にも抜歯やスケーリングなど、出血を伴う治療が多い分野です。
そのため、患者の感染リスクだけでなく、歯科医療従事者の交差感染リスクが潜在しているといわれています。
また歯科治療器具や器材は特殊な形状のものが多く、洗浄をはじめ消毒、滅菌法など、適切な知識が必要です。
歯科感染管理者の認定試験では、歯科に特化した感染制御知識の習得が可能です。
そのため、歯科感染管理者が在籍している歯科医院では、患者さんに安心して歯科治療を受けてもらうとともに、働くスタッフにとっても安全に勤務してもらうことができます。
これからの歯科界において、就職に有利な資格のひとつといえるでしょう。
3.資格取得の申請に必要な条件
第二種歯科感染管理者の資格取得には、学歴などの基準はありません。
そのため、歯科衛生士だけでなく、歯科助手やクリーンスタッフなど、誰でも取得可能です。
また、第一種歯科感染管理者の資格を取得するには、第二種歯科感染管理者の資格を取得している必要があります。
4.資格のとりかた・費用について
第二種歯科感染管理者
第二種歯科感染管理者の資格を取るには、検定講習会を受ける必要があります。検定費用はテキスト代を含み、15,630円(税込)。
次の必要書類を用意し、事務局へ郵送します。
- 第二種歯科感染管理者検定講習会・受講申込書
- 顔写真
- 検定講習会受講費用・振込依頼書(コピー可)
- 歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の場合、免許証のコピー
- 受講申込書類提出用送付票
- A4サイズが入る封筒
検定講習会は10時~16時までの1日コース。講義終了後、検定試験を受けます。
現在は、新型コロナウイルスの影響が依然として懸念されることから、試験はオンラインにて開催されています。
講習会のスケジュール・各種書類はこちら
受講日から約1ヶ月すると、「合否のお知らせ」が郵送されてきます。
合格者には、「第二種歯科感染管理者認定カード」と「第二種歯科感染管理施設認定書」発行のご案内が同封されています。
希望者は認定登録料4,400円(税込)を支払い、申請手続きをします。
第一種歯科感染管理者
第一種歯科感染管理者の検定試験は毎年1回。検定費用は22,000円(税込)。
検定日の3ヶ月前に公開される「課題」をクリアすると、認定資格が発行されます。
「課題」は、提示された歯科医院の患者数、従事者数、設備において適切と思われる感染管理マニュアルを作成すること。
検定講習会は、12時~16時30分までの半日コース。講義内容を元に、マニュアルを作成または修正し、その後2週間以内に委員会に提出します。
作成の経験がない人でも、講義できちんと手順や作成のポイントを教えてもらえます。
提出されたマニュアルは、委員会で審査を行います。合否判定結果は、検定日から3ヶ月以内に郵送で通知されます。
こちらの検定試験も、2021年はオンラインでの開催が決定しています。
講習会スケジュールはこちら
資格の更新について
第一種歯科感染管理者、第二種歯科感染管理者ともに、認定期間は5年間とされています。
認定登録を継続するためには、検定合格・登録後5年以内に継続講習会(ポイントセミナー)を受講し、所定のポイントを取得する必要があります。
対象のセミナーにはオンラインで開催されているものも多数あります。
継続講習会(ポイントセミナー)の詳細はこちら
第一種歯科感染管理者の資格を持っている方は、第一種のみ、資格の更新を行います。
更新の詳細はこちら
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歯科治療器具や器材は、特殊な形状のものが多いため、適切な感染管理の知識が必要です。
歯科に特化した感染制御知識の習得は、自信にもつながる資格なのではないでしょうか?
まずはセミナーや講習会を受けたり、受講生の声を直に聞いてみるのもいいかもしれませんね。
応援しています!