日本の歯科業界にはたくさんの資格制度が存在し、その代表格が歯科医師免許・歯科衛生士免許・歯科技工士免許です。
これらの資格は「国家資格」といって、国で認められている認定制度です。しかしその他にも、「協会認定資格」「学会認定資格」など、自身のスキルアップのためのさまざまな資格が制定されています。
今回はたくさんある資格のうち、特に臨床歯科麻酔認定歯科衛生士の資格について、徹底解説しますよ!
1.臨床歯科麻酔認定歯科衛生士とは?
2.臨床歯科麻酔認定歯科衛生士の業務
3.資格取得の申請に必要な条件
4.資格のとりかた・費用について
1.臨床歯科麻酔認定歯科衛生士とは?
2020年2月に一般社団法人 日本歯科医学振興機構が新たに設立した認定資格です。
臨床現場において、歯科衛生士による麻酔を導入するために必要な知識と技術を提供し、安心して麻酔に取り組める環境を整備することを目的に制定された認定制度です。
今年11月から全国各地で講習会が開催され、熊本・福岡・大阪会場はすでに満席と、歯科医療従事者からの注目度の高さが伺えます。
2.臨床歯科麻酔認定歯科衛生士の業務
歯科医師法や歯科衛生士法、厚生労働省の過去の通達などにより、ある一定の条件を満たすことで、歯科診療の補助としての麻酔を、歯科衛生士が行うことが可能となります。
臨床歯科麻酔認定歯科衛生士は、法の正しい理解と歯科麻酔学の知識や技術を身につけているので、安心安全に麻酔に取り組むことができます。
※ こちらの認定資格は、歯科衛生士による麻酔の許可を与えるものではなく、あくまでも麻酔についての知識や技術が一定の水準に達しているということを証明するものです。
歯科衛生士による麻酔は、主治の歯科医師が個々の能力を総合的に判断した上で指示した場合のみ行うことが可能です。
引用:臨床歯科麻酔管理指導医 臨床歯科麻酔認定歯科衛生士とは-一般社団法人 日本歯科医学振興機構
3.資格取得の申請に必要な条件
認定資格を取得する講習会を受講するには、歯科衛生士免許取得後2年を経過している必要があります。
また、実際に歯科衛生士が臨床現場で麻酔を行うには、勤務先の院長先生の理解が不可欠です。
講習会では、臨床歯科麻酔認定歯科衛生士だけでなく臨床歯科麻酔管理指導医の認定講習および試験も同時に行われます。院長先生と一緒に受講することで、より臨床応用につながるのではないでしょうか。
4.資格のとりかた・費用について
日本歯科医学振興機構が主催する認定講習を受講し、試験に合格すると、「臨床歯科麻酔認定歯科衛生士」の認定証を受け取ることができます。
その際、認定講習および試験の受講料として28,000円、合格者は認定登録料として後日12,000円を事務局に支払う必要があります。
認定講習・認定試験
認定講習の内容は、以下の通りです。
- 歯科衛生士による麻酔行為の臨床導入について
- 臨床導入の法的根拠および具備すべき条件
- 歯科麻酔学総論・各論
- 歯科治療における偶発症への対応
- 実習(浸潤麻酔・窒息の対応法・救急救命処置・ロールプレイング)
認定試験は講習後に行われ、合否については後日通知があるようです。
資格の更新について
臨床歯科麻酔認定歯科衛生士の認定期間は3年間とされています。
認定期間中に、日本歯科医学振興機構が開催するwebセミナーを2回受講すれば、さらに3年の認定を取得することができます。
webセミナーでは、歯科麻酔関連の最新情報や一次救命処置についての講習など、さまざまな内容が学べます。
また、更新手数料として10,000円を事務局に支払う必要があります。
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いかがでしたか?
日々の診療のスキルアップとして、自信にもつながる資格なのではないでしょうか?まずは講習会を受けたり、受講生の声を直に聞いてみたりするのもいいかもしれませんね。
応援しています!