歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。
dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。
このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。
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今回は、歯科衛生士9年目の杉山幸菜さんにお話を伺いました。
新卒で勤めた歯科医院で、TBIの大切さとマイクロスコープ診療の重要性を知った杉山さん。その後、自由診療専門の新百合ヶ丘南歯科にて、マイクロスコープを日常的に活用しながら、歯科衛生士業務に専念しています。
仕事をする上でこだわっていること
「生涯にわたりお口の健康を維持していくために」が医院のコンセプトです。そのために、患者さん自身に一生涯健康な口腔状態で過ごすための知識や技術を身につけてもらえるように工夫しています。
まずはご自身に口腔内の状態をきちんと理解してもらうため、通院されるすべての患者さんに、「お口の健康管理ノート」をお渡ししています。
このノートには、まず治療前に受けていただく精密検査(歯科ドック)の結果と、口腔内写真やレントゲン写真はもちろん、歯周病、むし歯の検査結果とリスク評価、咬合に関する分析結果などを記録しています。
なぜ口の中に問題が起きてしまったのか、患者さんとともに原因を突き止めることで、セルフケアやTBIへのモチベーションが自然と高まります。
そうすることで、どのようにブラッシングをすればいいのか、どうすれば生涯にわたって予防できるのかを、患者さん自身が理解して取り組んでくれるんです。
働く上でうれしかった出来事
今までお口の中にそれほど興味を持たれていなかった患者さんが、口腔内の環境を長期的に健康維持することの価値を理解し、楽しみながらセルフケアを行い、定期的にメンテナンスに通われるようになるまでに変化していく様子を何人も見てきました。
お口の中の健康が、患者さんの全身の健康にもつながっている実感があり、医療従事者として嬉しく思います。
−2018年にiTOPインストラクターの資格を取得した杉山さん。
iTOPインストラクターとしての活動
3年前くらいに、あるデンタルショーにてクラプロックスの歯ブラシと運命的に出会ったことにさかのぼります。
今まで知っていた歯ブラシや歯間ブラシと比べて、カラフルでかわいい見た目だけでなく、機能的にも圧倒的な優位性に気づき、まずは自分自身で使いはじめました。
そんな中、偶然にもクラプロックスを取り扱っているヨシダの社員の方から「新しくTBIのセミナーをはじめるので、参加してみませんか?」と声をかけていただき、iTOPのイントロダクトリーコースに参加しました。
(参考:誰でもTBIが得意になる!?体感型ブラッシングセミナーが開催)
そのセミナーはとても共感できる内容で、翌日のTBIからすぐにそのメソッドを取り入れました。そうしたところ、今まで以上に質の高いセルフケアを毎日続けてくれる方が多くなったんです。
実際、その頃から患者さんのPCRが安定して、軒並み20%を切りはじめました。それにともない、クラプロックスの歯ブラシや歯間ブラシのリピーターになる方が増えました。
そういった変化がヨシダの社員の方の耳に直接入ったことから、クラプロックスについての講演や執筆をさせてもらえるようになり、その流れで「iTOPイントロダクトリーコース」の講師のオファーをいただきました。
オススメの器具やお気に入りのグッズ
クラプロックスの歯ブラシと歯間ブラシです。また、マイクロスコープ、EMSのエアフローも、私の日常業務の中でなくてはならない重要なツールです。
中でも特に歯間ブラシが重要で、患者さんに最適なサイズをお伝えするときには、チェアサイドではなく、ブラッシング専用ブースに移動します。
ここでお互いイスに座って向きあい、歯間ブラシを手にとってもらったり、私が実際に使用しているところを見せたりしながら、リラックスした状態で使い方を習得してもらっています。
また、マイクロスコープは卒後2年目から使いはじめたのですが、そのことが歯科衛生士としての手技を早い段階で習得することにつながった実感があります。
実際の臨床現場での経験を活かして、昨年から「デンタルアーツアカデミー」にて歯科衛生士向けのマイクロスコープセミナーの講師も定期的に担当しています。
今までの人生の中で、やっておいてよかったと思うこと
SJCDに入会したことで、マイクロスコープを専門とする歯科衛生士 前田千絵さんをはじめ、さまざまな先輩たちと出会うことができました。
ここで出会う歯科衛生士さんはどの方も勉強熱心で、論文の探し方や発表のコツなど、必要な知識をたくさん教えていただきました。
あとは、「人前で発表すること」の積み重ねは、私を成長させる良い経験となっております。
なにより発表内容をまとめることで自分自身の勉強になりますし、発表やセミナーを通して、人とのつながりが毎回増えていく実感があります。実際にiTOPの活動を通して、海外の歯科医療従事者とも幅広くお友達になることができました。
勉強会やセミナーに参加するようになった“きっかけ”
現在の院長、高山先生との出会いです。
1年目の時に指導医だった高山先生は、新卒歯科衛生士の私に対しても“口腔衛生に関する専門家”として接し、意見を尊重してくれました。
そのおかげで、きちんと知識をつけなければと勉強する意欲が湧き、1年目からSJCDのセミナーなどに参加しています。
現在でも引き続き、高山先生の「クリニックのスタッフ全体で知識・情報を共有し、連携して患者さんを診る」という考え方に基づき、先生と同じ学会やスタディーグループに所属しセミナーに積極的に参加しています。
反対に、先生にTBIのセミナーを受講していただいたりと、院内での情報共有を徹底しています。
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dStyleでは、“歯科で働く希望と可能性をあなたに”をコンセプトに、さまざまなフィールドで活躍する歯科衛生士の方々へインタビューを行っています。
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