わたしのDHスタイル #13 成瀬千絵美さん『歯科医師の目線に合わせることの大切さ』

歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。

dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。

このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。

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今回は、歯科衛生士歴11年目の成瀬千絵美さんにお話を伺いました。

歯科衛生士になり、2年ほどして歯科医療の面白さに気づき、さまざまな勉強会を通してスキルアップをしている成瀬さん。

現在は浜田山インプラントセンター 山中デンタルクリニックに常勤。休診日には都内の歯科医院にてインプラントメインテナンスをメインに働いています。

山中デンタルクリニック 成瀬千絵美さん
山中デンタルクリニック 成瀬千絵美さん

仕事をする上でこだわっていること

知識についていうと、「私は衛生士だからそこまでは知らなくてもいい」と思わず、できるだけ歯科医師と知識を共有させてもらいたいと思っています。

疑問点やわからないことなどがあれば、その都度調べたり質問をして解決するようにしていて、技術面においても、高倍率ルーペを用いた治療など、日々トレーニングをして向上に努めています。

また、学会や勉強会では、展示ブースにかならず立ち寄り、新製品の情報をキャッチするようにしています。術式などの「考え方」の移り変わりについても、勉強会に出席したり、知り合いの先生などから聞いたりして知る努力をしています。ただ、新しいからといってむやみに飛び込まず、いままでのものと慎重に比較するようにしています。

あとは、当たり前ですが使用する器具のメインテナンスは絶対に欠かしません。

オペの際に必要な器具が出ていないと、無駄な時間がかかってしまい、患者さんや術者、他のスタッフに迷惑をかけることになります。また、シャープニングがきちんとできていないと、大切な患者さんに負担をかけてしまうだけでなく、自分の集中力が切れてしまう原因にもなります。

患者さんがきた時に最大限の力が発揮できるように、必要な準備はしておきたいと考えています。

仕事をする上でこだわっていることについて語る成瀬さん

働く中で、うれしかった出来事

治療を終えた患者さんからの「ありがとう」という言葉は、やはり嬉しいです。

インプラント治療に限らず、本当だったら苦手なはずの歯科医院に回数や費用、期間をかけて一生懸命通ったことが、患者さんの今後の健康維持において、なによりの成功の鍵になると思います。

そのモチベーションを維持するのも、衛生士の大きな仕事だと思っています。

あとは、お土産や差し入れをいただいたときが嬉しいです。

物をいただくということももちろん嬉しいですが(笑)、患者さんが医院の外で私のことを思い出してくれて、選んでくださったという行為を、すごく嬉しく思います。

今までの人生の中で、やっておいてよかったと思うこと

学生時代はバイト人間で、ひたすらずっとアルバイトをしていました。そこで学んだコミュニケーションやお金の取り扱いなどは、いまかなり役に立っていると思います。

あとはお酒が好きで、お声がかかると行ってしまいます(笑)。

そのおかげで、歯科業界においてもたくさんの方とお知り合いになれて、勉強する機会が多く持てるようになりました。

また、歯科業界以外の方との飲み会にも参加しますが、一般の方の率直な質問や意見が、日常の診療に大いに役に立っています。

きちんと説明しているつもりでも、患者さんには伝わっていなかったり、不快に思うポイントだったり。

話を聞くと、とにかく歯医者はヤダ!と思っている人が多いのですが、きちんと予防していれば痛い思いをしなくても良かったのに…と、自分のできる仕事がまだいっぱいあるな、と思い知らされます。

飲みの場でなくても、こんなたとえわかりやすいかも!といったアンテナは常に張っています。

セミナーで学べること

衛生士になって2年目くらいまではそんなに勉強をしていませんでしたが、勤め先の先生などから教えてもらったセミナーに出ているうちに、どんどん輪が繋がって、毎月のようにセミナーに参加するようになりました。

SJCDには7、8年所属していますが、面白いです。勉強になります。

きっかけは知り合いの先生が講演する際に、オブザーバーとして参加したことですが、当時は何も知らなかったので、衝撃を受けました。今までやってきた治療と違うことも多く、それを機にもっと勉強したいと思うようになりました。

現在は衛生士向けのセミナーだけでなく、ドクター向けの講演を受講することも多いです。歯科医師がなにを考えているのかを知りたいし、いろんな先生のいろんな意見を聞いて、衛生士として自分ができることのヒントも得られます。

また、勉強会の後の懇親会に参加すると、講師の先生や受講生とコミュニケーションがとりやすくなる気がします。講演の中で理解できなかった部分をより深掘りできますし、講演の中では聞けなかったお話をしていただけたりと、勉強になることばかりです。

ドクター向けのセミナーを体験する様子
ドクター向けのセミナーを体験する様子

オススメのグッズや器材

ケア用品は、オーラルケアのフロアフロスがダントツです。プラークの除去率の高さと、なにより痛みがないです。

患者さんによっては、フロスが痛くて自分で行うのも歯科医院でされるのも苦痛とおっしゃる方が多々いますが、このフロスと正しい使い方をお教えしたら全然痛くないしすっきり!といった反応が見られます。

診療機器は、デンツプライのキャビトロンがオススメです。院長先生になんどもお願いして導入してもらいました。

キャビトロンは他の超音波スケーラーと比べて振動が少なく、暖かいお水が出てくるので、知覚過敏の患者さんにも苦痛が少なく施術できます。また、チップのバリエーションも豊富で、扱いやすい形状のものが多くて便利です。患者さんによって3種類をメインに使い分けています。

キャビトロン プラスMP タップオン(デンツプライシロナ株式会社)
キャビトロン プラスMP タップオン(デンツプライシロナ株式会社)

今取り組んでいること

日常の診療に加えて、ときどき院内セミナーの依頼をいただくことがあります。リクエストいただく内容に沿って行わせていただいていますが、資料の採り方やインプラントメインテナンスについてが多いです。

他にも通常のクリーニングと、予防のためのメインテナンスの違いについてのセミナーなどは、自分自身にとっても勉強になることがすごく多いです。

このような機会は誰もが経験できることではないと思いますので、いままでたくさんの方々に教えていただき、成長させていただいた恩返しになればと思い、お引き受けしています。

インプラントメインテナンスの院内セミナーの様子
インプラントメインテナンスの院内セミナーの様子

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dStyleでは、“歯科で働く希望と可能性をあなたに”をコンセプトに、さまざまなフィールドで活躍する歯科衛生士の方々へインタビューを行っています。

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