わたしのDHスタイル #39 朝長円香さん『教職経験を活かして患者さんの心を開く』

歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。

dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。

このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。

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今回は、歯科衛生士歴20年の朝長円香さんにお話を伺いました。

4年の臨床経験を経て、歯科衛生士学校の立ち上げを行い、13年教職勤務。

その後、衛生士学校の閉科を機に、オープニングスタッフとして現在の歯科医院で働いています。

歯科衛生士 朝長円香さん
歯科衛生士 朝長円香さん

教職に就いたきっかけ

当時働いていた歯科医院の受付の方が、歯科衛生士学校を立ち上げるという話を知人から聞いてきたということで、私に紹介してくれたんです。

歯科医院では4年目でしたが、院長が厳しい方で、あっという間に1番上になり、新人教育も担当していました。

その時に思ったのが、現場に出てスムーズに働けるような指導を、学生のうちから受けた方がいいということ。

大体の学生は歯科について何も知らずに入学してくるので、“わからないことがわからない”という状態の学生が多いんです。

教職の仕事は、わからないことを知る手助けができ、得意不得意を導いてあげられるので楽しかったです。

中でも、はじめは矯正を苦手分野だといっていた学生が、学んでいく上で面白さを見出して、その分野への就職を決めてくれた時は、とてもやりがいを感じました。

自分自身、学生時代は学ぶことにあまり意欲がなく、わからないことをわからないまま卒業してしまったので、余計そういう思いが強いのかもしれません。

教職時代の朝長さんと学生の皆さん
教職時代の朝長さんと学生の皆さん

オープニングスタッフのメリット

道具一つひとつを全部選びながら医院を作り上げていけるので、やりがいはありますね。

道具や機器の配置もそうですが、教職歴が長かったこともあり、一緒に働くスタッフの面接にも関わらせていただきました。

開業するまでの1ヶ月は本当に忙しくて。時間が足りない中でも妥協はしたくなかったので、特に歯ブラシやペーストは一通り使ってから選びました。

〇〇歯科医院の皆さんと
マイン歯科クリニックの皆さんと

知識のブラッシュアップのための認定資格

アンチエイジング歯科学会認定歯科衛生士の資格は、もともと審美歯科を専攻していることもあり、加齢とうまく付き合っていく上で必要な学問を求めていた時に出会いました。
(参照:日本アンチエイジング歯科学会認定歯科衛生士-日本アンチエイジング歯科学会

こちらの資格は栄養学も含めて身体全身のことを学べる内容だったので、取得を決意しました。

特に食育の知識は自身の子育てにも活かせたり、お家でできるエクササイズなども学ぶことができたので、診療だけでなく実生活にも活かせています。

ホワイトニングコーディネーターは初期に一度取得していましたが、復職を機に、10年ぶりに取得し直しました。
(参照:ホワイトニングコーディネーターってどんな資格?

10年前と比べるとテキストも充実していて、ホワイトニング材料もがらっと変わっていたため、結果的には受けてよかったと思っています。

トリートメントコーディネーターも私自身は初期の頃に取得していたのですが、当院のスタッフ全員に紹介しています。
(参照:トリートメントコーディネーターってどんな資格?

特に歯科医院は怖いイメージがつよく、痛みを抱えて来院される患者さんの中には心のバランスを崩してしまっている方もいらっしゃいます。

そういう方への対応を学んでいるメンバーが揃っている環境だと、安心して来院していただけていいですよね。

歯科に関わらず、人と関わるために必須のスキルを学べるので、患者さんと接する機会の多いアシスタントや受付の方には入職のタイミングで受けてもらっています。

仕事をする上でこだわっていること

患者さんへのアプローチの際、エピソードと交えて具体化するようにしています。

患者さんの症例にもよりますが、特にお子さんの矯正や埋伏抜歯などは、本人がよくわからないまま治療を受けている方が多いです。

私自身も矯正をしていたこともあり、なぜ矯正が必要なのか、どうしてこのタイミングじゃないといけないのかなどの理由をわかりやすく説明して、納得してもらって治療を受けていただくようにしています。

男の子だったら、スポーツに絡めてかみ合わせの大切さを伝えたり。それぞれに響きやすいタイミングでアプローチするようにしていますね。

仕事をする上でこだわっていること

働く中で経験したうれしい出来事

10年も歯科受診をされていなかった方が、毎月メインテナンスを受診をしてくださるようになったことは嬉しいです。

いま私がイチオシしているのが「舌ケア」なのですが、その方は口臭をすごく気にされていて。

指導の際に電動ブラシの使用など、その方がいままでしていなかったことを提案して、口の中がきれいになるという実感を持っていただいたことで、毎月通ってくださるようになったのかなと思います。

これはよく学生にも言っていたのですが、若手の方って注意しがちなんですよね。自分に知識があると、ついつい「こうじゃないですよ」「ああしてください」とアプローチしがちなんです。

でも、ささいなことでもいいので、まず患者さんができていることを褒めて、そこを伸ばす方法を一緒に考えることが大切です。

歯科を受診される患者さんの中には「〇〇されている」という感覚をお持ちの方が多いですが、患者さん自身が“成功体験”をしてくだされば、「またこよう」「また教えてほしい」という考え方に変えることができます。

これまでの人生経験の中で、やっておいてよかったと思うこと

接遇面を考えても、断然アルバイトです。コンビニやファストフード店での接客は、いまの仕事にとても活かされています。

特に学生の時から働いていた職場は、マニュアルがすごくしっかりしていて、とてもいい経験でした。

接遇はもちろんですが、いちばん勉強になったのはクレーム対応ですね。

患者さんもそうなんですが、ただ謝るだけじゃダメなんですよね。相手の意図することを汲み取る能力はすごく勉強になりました。

また、聞きながら話すことも、ドライブスルーで培われましたね(笑)。

いまクリニックでインカムをつけて仕事をしていますが、耳で聞きながら別の話をして、別のことをするというトレーニングになりました。

このインタビュー、学生さんも見る機会があると思うのですが、絶対いい経験になると思います。

おすすめのグッズ

ひとつ目は江崎グリコのブレオEXです。

米麹由来の酵素が入ってて、タブレット自体もわざとザラザラした形状になっているので、舌苔がとても取れやすいと感じています。

当院は患者さんの年齢層がかなり広くて。特に高齢の方でデンチャーが入っていると、ガムなどを噛んでもらうことが難しいです。

ブレオはタブレットタイプなので、5〜6分噛まずに舐めてもらうのですが、舌苔が一気にきれいになります。

コロナの影響もあってか、舌ケアに興味を持たれる方が増えています。

気になる方にはいつもクリニックで試してもらっているのですが、こちらとしても面白いぐらいに汚れがとれるのでとても人気ですね。

二つ目はPHILIPSのソニッケアー プロテクトクリーン プロフェッショナル

私自身、歯科衛生士になって以来ソニッケアーを使い続けているのですが、いちばんの魅力はステイン除去力の高さです。

また、ライオンのBrilliant moreは伸びやすいテクスチャなので、電動歯ブラシを使用している方にもおすすめしています。

当院はホワイトニングの患者さんが多いので、後戻りを防ぐためにおすすめしたり、ホワイトニングまでは…という方にもセットでおすすめできるのでいいです。

ブレオEXとBrilliant more
ブレオEXとBrilliant more

若手歯科衛生士にメッセージを!

日々の診療に追われていてくじけそうになることもあると思います。

目標を持つことも大切ですが、今の自分自身が最大限に活かせることを見つけることも、とても大切です。

好きなことは何ですか?
チャレンジしたいことは何ですか?

自分がワクワクすることを、形にできるような努力をすることをおすすめします。

高校生へ向けた進路ガイダンスの講師を務める朝長さん
高校生へ向けた進路ガイダンスの講師を務める朝長さん

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