わたしのDHスタイル #41 和田京子さん『子どもの成長と未来を助けられる仕事』

歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。

dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。

このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。

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今回は、歯科衛生士歴14年の和田京子さんにお話を伺いました。

専門学校を卒業後、医科歯科総合クリニックへ就職した和田さん。働く中で小児歯科に縁があり、小児の道へ。母親教室講師や親子教室講師を行っていました。

その後7年間の勤務を経て、現在は小児専門であるキッズデンタル目黒に勤務。歯科衛生士として臨床やセミナー講師を行う一方で、読者モデルとしての活動も行っています。

キッズデンタル目黒 和田京子さん
キッズデンタル目黒 和田京子さん

小児歯科学会認定歯科衛生士取得のきっかけ

最初に就職した総合クリニックは、口腔外科や小児、訪問歯科など、歯科のすべての科が揃っており、最初の1年は全科を経験しました。

また、産科がメインの総合クリニックだったので、2、3年目には助産師や看護師の方と一緒に、母親教室講師を指導者の先輩とともに行っていました。

担当していた小児科の先生が日本小児歯科学会の専門指導医で、直属の先輩たちも、認定歯科衛生士の資格を持っていました。

先生からも「小児向いてるんじゃない?」という言葉をいただいて、「私も先輩たちのようになりたい」という想いで、資格を取得しました。

日本小児歯科学会認定歯科衛生士の認定試験は症例作成やポスター発表などがあり、難易度が高いため、今資格を持っているのは全国で200人くらいと聞きます。

私は、セミナー講師を行っていたり後輩へ指導する立場でもあるので、認定を持っていることで、いろんな勉強や最新の情報を取り入れたり、前向きな気持ちの維持に繋がっているなと感じています。

セミナーでも、「専門の方に聞きたい」と思ってくださる先生や衛生士の方も多いので、可能な限りはずっと認定資格を継続していきたいと思っています。

小児歯科学会認定歯科衛生士
医科歯科総合クリニック勤務時代(引用:『デンタルハイジーン 33巻5号』2013年4月18日,医歯薬出版)

小児歯科でやりがいを感じた瞬間

その総合クリニックですが、すこし特殊で“赤ちゃん歯科”という0歳から診療している科がありました。

そこは、母親教室後、4ヶ月からベビー教室を行っており、歯が生えた7ヶ月くらいのお子さんをそのまま歯医者に連れてくるということが可能な歯科医院でした。

そこに参加させていただいて、お母さんたちの役に立てることを実感しました。

赤ちゃんのお口のことって、歯科衛生士であっても知識が少ない分野ですが、お母さんたちなんてもっと未知の世界です。

自分の知識を提供することで、思った以上の感謝をいただけたことは、とてもやりがいに繋がりました。

母親教室
母親教室にて講師を務める様子

働く中で経験したうれしい出来事

子どもとかかわる中で成長を感じられたり、家族と打ち解けられたときですね。

子どもって成長していくので、今日はこれができたとか、あとは懐いてくれたりとか。患者さんの成長をともに寄り添い、未来を助けていくというところにやりがいを感じます。

今の勤務先は矯正もやっているので、幼い頃から通われて社会人になった方も多いです。

ですので、思春期になったら話してくれなくなったり、恋愛相談とか、半年ぶりに会ったら声変わりしていたり、そばで成長をみられることはうれしいものですね。

仕事をする上でこだわっていること

小児歯科ということもあり、お母さんもお子さんも初めて歯科医院にこられる方が多いです。

特にキッズデンタル目黒は、小児歯科専門の歯科医院なので、そこを選んでこられるお母さんは、まず口腔意識が高いのだと思っています。

また、初めての診察は、みなさん不安を抱えながらいらっしゃいます。だからこそ、医院に入ってこられた瞬間から明るい挨拶をすることを心がけています。

イメージは、保育士の方やスタジオアリスのスタッフさんのような常にテンションの高い雰囲気を意識しています。

歯みがき指導

もう一つは、患者さんやその保護者を指導する時に、「ここはできているけど、ここはなおしてね」と悪いところだけではなく、いいところもしっかりお伝えするようにしています。

これは特に、私は経験を積めば積むほどに意識しているのですが、歯科衛生士は指導をする立場なので、改善するところがあればあるほど、どうしてもそこばかりに目がいってしまいます。

たとえば、すべての歯がむし歯というような患者さんがいらした場合、どうしても「ここもここも…」と言いたくなるのですが、それではすべてが否定になってしまいます。

そうなると、お母さんも苦しくなってしまうんですよね。お母さんにとっても、お子さんに治療が必要になることはやっぱり悲しいものです。

だからこそ責めるのではなく、いいところにプラスして、明るく改善点をお伝えするようにしています。

読者モデルとしての活動も

10代の頃からヘアモデルをしていたことをきっかけに、活動をはじめました。

最近ですと、『GINGER』という女性ファッション誌で、ゴルフ女子を応援しようという企画に参加していました。

雑誌などに掲載していただく際はいつも肩書きを“歯科衛生士”にしています。

私はファッション雑誌などを読むとき、肩書きはよく見るところなので、そこに歯科衛生士といれてもらうことを、とても嬉しく思ってます。

読者モデル
読者モデルとしても活躍(引用:『steady. 2021年3月号』2021年2月5日,宝島社)

おすすめの器具

一つ目は、PROXIDENTのフロスちゃんという子ども用フロス。私が必ずおすすめする、お気に入りアイテムです。

意外と、子ども用のフロスがあることを知らないお母さんたちって多いんですよね。

このフロスは、クマのモチーフがついていてかわいいだけでなく、糸がしっかりしていて先端部分が折れるため、口の奥まで入れやすくなっています。

まず日本人はフロスをする習慣がないので、小さい頃から習慣づけてもらいたいという思いでおすすめしています。

院内でも、「クマちゃんやるよ〜」といつも呼びかけています。

フロスちゃん
PROXIDENTのフロスちゃん

もう一つは、ウエルテックのフッ素コート歯みがきジェルですね。最近は小児でも、お母さんたちの美的意識があがってきているように感じます。

ノンカフェインの麦茶を飲んでいるお子さんも多く、前歯に着色がついていることが多いですが、超音波などでのクリーニングは、いやがってしまって難しい場合も多いです。

そのため、短時間で素早く着色がとれるコンクールジェルは、かなり重宝しています。

あとは、ヒューフレディのシックルスケーラー、ネビィ 1前歯用

たとえば歯石をとりたいとき、子どもたちは、急に顔を動かしたり暴れてしまうこともあり危険です。

安全にとるためにも、裏側の歯頸部などには、丸い方をよく使っています。

ヒューフレディ シックルスケーラー ネビィーシリーズ ネビィ 1 前歯用
ヒューフレディ シックルスケーラー ネビィ 1 前歯用

今後挑戦したいこと

小児歯科に勤務していると、世の中には、育児に悩んでいるお母さんがたくさんいることがわかります。

今後はそんな保護者たちに向けて、医院以外の場での子育て支援を行いたいと思っています。

他にも、コラム執筆や赤ちゃんグッズの考案など、世の中のためにできることを、長い目で計画中です。

夢みたいなものですが、小児の分野といったら私!と思ってもらえるようなコンテンツをつくるなど、頑張っていきたいと思っています。

和田京子さん

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