わたしのDHスタイル #37 松本実歩さん『口腔内スキャナーをDH業務に役立てる』

歯科衛生士は社会的価値の高い大切な職業であり、この社会になくてはならない存在です。

dStyleでは、今まさに臨床の現場ではたらいている方々にスポットライトを当て、等身大の歯科衛生士ライフを語っていただきました。

このインタビューが、歯科業界で輝くきっかけになれば嬉しいです。

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今回は、歯科衛生士歴3年目の松本実歩さんにお話を伺いました。

一般歯科や訪問歯科を経験したのち、自身のスキルアップを図るため、大阪府枚方市の医療法人 山羽歯科医院へ転職した松本さん。

職場では、さまざまな場面で口腔内スキャナーを活用し、院内マニュアルは動画で保存するなど、医院全体で歯科のデジタル化に取り組んでいます。

医療法人 山羽歯科医院 松本実歩さん
医療法人 山羽歯科医院 松本実歩さん

普段の業務内容

歯周基本治療からメインテナンスといった歯周治療や、さまざまなオペのアシスタント業務、ホワイトニングなどを行っています。

当院では、歯周治療における資料取りとして、はじめに口腔内スキャンを行います。そして、スキャンしたものをスタディーモデルとして保存し、その後の治療に使用します。

また、プラークを染め出した後の口腔内をスキャンし、そのスキャン画像を使用してTBIを行うなど、さまざまな場面で口腔内スキャナーを活用しています。

患者さんに説明を行う松本さん

口腔内スキャナーを使用するようになったきっかけ

以前より、院長が口腔内スキャナーを用いてインプラント治療の説明を行うことで、患者さんの理解度がかなり高くなると感じていました。

そして、私たち歯科衛生士でも口腔内スキャナーを使える場面はないかと考え、まずは染め出しの際に使用してみようと思い立ったのがきっかけです。

仕事をする上でこだわっていること

当たり前のことではありますが、患者さんに疑問が残らないよう、わかりやすく丁寧に説明することを心がけています。

そのためにも、私にとって口腔内スキャナーは欠かせないアイテムです。

口頭では伝わりにくいことも、その場でスキャンした画像を見せることで、患者さんが納得する説明を行えるんです。

また、術者側もスキャンすることで見落としていた口腔内の問題点や特徴に気付けることもあります。

口腔内スキャナーを使用する松本さん
口腔内スキャナーでスキャンした画像を患者さんにも共有する

オススメの活用方法

はじめて口腔内スキャナーを見たとき、多くの患者さんが“こんな機械あるんですか!”と驚きます。

そして、実際にスキャンした画像を見せるとさらに驚く、というように、口腔内スキャナーを通して、自分の口の中に興味を持つきっかけができるんです。

そのため、口腔内への関心やモチベーションが低い患者さんには、とくに効果的に活用できると感じています。

また、初診時に患者さんの口腔内をスキャンしておくことで、TeCが必要なときはすぐにオーダーすることができます

新たに印象採得する必要がないので、患者さんにとって負担が少なく、私たちのチェアータイムも削減できます。

石膏模型を保管する必要がなくなったことで、院内のスペースも広がりました!

院内のデジタル化について

当院では、患者さんに提供する治療だけでなく、院内のシステムにおいてもデジタル化を進めています。

たとえば、スタッフ教育に使用するマニュアルは、スタッフみんなで動画を撮影してクラウドに保存しています。実際の動きを見ることができるので、文章よりも確実に伝わります。

また、毎月購読している雑誌も、PDF化して保存しています。これによって、スタッフの誰かが持ち帰っていて読めない!○月号が足りない!などのトラブルがなくなりました。

PDF化し、スタッフ間で共有している購読誌
PDF化し、スタッフ間で共有している購読誌

ほかにも、スマホのアプリ上で勤怠管理や有給休暇の申請を行うなど、さまざまな場面で効率化を図っています。

タイムカードよりも手間が省け、有休もスムーズに取得できています。

使用している勤怠管理アプリ
山羽歯科医院で使用している勤怠管理アプリ

働く中で経験したうれしい出来事

重度歯周炎の患者さんの口腔内が、健康な状態に戻ったときのことです。

その患者さんは、初診時に「歯が痛くて噛めない」といって来院され、麺類などは噛まずに飲み込んでいるとのことで、プラークコントロールが悪く、歯周ポケットは6mmを超える部位が多数存在していました。

しかし、歯周治療が進み、プラークコントロールが向上すると、「ブラッシング時の出血が減った」と報告してくれたり、「ラーメンが食べられるようになって嬉しい!」と言ってくれたりするようになりました。

最終的には、歯周基本治療のみで口腔内の状態が大きく改善され、歯周ポケットも安定したため、スムーズにメインテナンスへ移行することができました。

こういった患者さんのおかげで、歯科衛生士としてのやりがいを感じながら働くことができています。

診療中の様子

これまでの人生経験の中で、やっておいてよかったと思うこと

訪問歯科のアルバイトをしたことです。

以前の勤務先で、人手が足りないからと声をかけてもらったのですが、それまで訪問歯科の経験がなかったので、正直不安でした。

しかし、苦手意識をもたずに挑戦したことで、普段診療室では接することができない、たくさんの患者さんと出会えました。

歯科においての視野が広がり、さまざまな方面への知識が深まったと感じています。

 

オススメの器具

メインテナンスには欠かせない、バリオスコンビプロです。

エアフローで使用するパウダーの粒子がとても細かく、施術中にまったく痛みを感じないんです。

着色もきれいに除去できる上に、患者さんの負担も少なくて済むため、すごい機械だなと感じています。

株式会社ナカニシ バリオスコンビプロ
株式会社ナカニシ バリオスコンビプロ

今後挑戦したいこと

もともとインプラントについての専門的な知識を深めたいと思っており、インプラント専門医である、現在の院長のもとで働くことを決めました。

現在は、私自身もインプラント専門歯科衛生士の認定資格を取得するために勉強しています。
(参照:日本口腔インプラント学会認定歯科衛生士(インプラント専門歯科衛生士)ってどんな資格?

これからも、最新の機器や技術に囲まれながら、歯科衛生士としてどんどんステップアップしていきたいと思っています!

今後挑戦したいこと

dStyleでは、“歯科で働く希望と可能性をあなたに”をコンセプトに、さまざまなフィールドで活躍する歯科衛生士の方々へインタビューを行っています。

ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひご応募ください♪

お問い合わせは公式TwitterFacebookInstagramにてお受けしています。