ウワサのTC #02 堀越春奈さん『チームで働く環境づくり』

歯科医院で働くスタッフの中には、「トリートメントコーディネーター(TC)」として勤務している方々がいます。

患者さんにわかりやすく治療内容を説明するだけでなく、歯科医院の経営にも大きく関わる役割を持っているため、今後の活躍がますます期待されています。
(参照:トリートメントコーディネーターってどんな資格?

dStyleでは、そんな現場で大活躍する「ウワサのTC」に、インタビューを行いました。

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今回は、TC歴1年4ヶ月目の堀越春奈さんにお話を伺いました。

歯科助手歴は13年目の堀越さんは、群馬県の医療法人社団優志会 ヒロ・デンタルクリニックで、トリートメントコーディネーターとして働いています。

6年前から勤める現在の職場で、TC制度の確立を担当しました。

ヒロ・デンタルクリニック 堀越春菜さん
ヒロ・デンタルクリニック 堀越春奈さん

TCになるまでの働き方

当院は、今年で開院17年目を迎えます。開院当初からの治療方針のひとつに、「治療の第一歩は入念なカウンセリングから」というものがあります。

そのため、当院では初診の患者さんにはまずカウンセリングを行い、安心して治療を受けていただけるよう努めています。

つい最近まで、そのカウンセリング業務のすべてを院長先生と衛生士さんが担当しており、私たち歯科助手は、受付業務の他、診療で忙しい先生に代わり、頼まれたお仕事などをしていました。

しかし、2年前のある日の経営会議で、院長先生がTC導入を決定し、医院で初めてTCを務めることになりました。

現在は、院長先生の患者さんの初診カウンセリングと終了カウンセリング、インプラントの説明を担当させていただいています。

TCを目指したきっかけ

今から10年以上前、当時勤めていた歯科医院の院長先生のすすめでオーラルケアさんのクリニカルコーディネーター講座を受講したことがきっかけです。

その講座は、「患者さんは病院にいくと不安になるので、とにかく患者さんの話を聴いて寄り添いましょう」という内容でした。

たしかに、問診で症状を聞かれることはあっても、不安な気持ちを聴いてもらった経験ってあんまりないですよね。

その際、私が患者さんだったら、歯科医院で話を聴いてもらったり、寄り添ってもらえたらどんなに気持ちが楽になるだろうと思い、ぜひ医院でTCをやってみたいと思いました。

しかし、残念ながら当時の職場では受付が一人体制だったため、カウンセリングの時間を取ることができず、TCのお仕事をする機会はありませんでした。

現在の職場に入職し、4年前にオフィスウエーブさんの「デンタルコーチング」というコーチング術を学びはじめたことにより、再びTCのお仕事に興味を持ち、やりたいという気持ちを持つようになりました。

現在の歯科医院のシステムについて

初診の患者さん一人ひとりにヒアリングシートを用意し、初診カウンセリングと終了カウンセリングを行います。

カウンセリングではお口の悩みや不安、ご要望、さらには健康状態やライフスタイルなど、さまざまな条件やニーズを聴き取っていきます。

実際のカウンセリングシート
実際のカウンセリングシート

現在のカウンセリングシステムが確立されるまで

まず、院長の患者さんの初診カウンセリングからはじめました。

最初は、カウンセリングといっても何をどうお話すればいいかまったく分からなかったのですが、院長とチーフ衛生士さんに話し方を教えてもらって、練習しました。

それでもうまく話せている自信がありませんでしたので、台本を作り、丸暗記しました

台本作りには、当時参加していたデンタルアシスタントスタディグループ(DASG)でいただいた『初診カウンセリングセリフ見本』や、日本歯科プロアシスタントスクール(PAS)で学んだデンタルコーチングが、すごく役に立ちました。

実際に患者さんにカウンセリングさせていただくと、ちゃんと伝わっているか不安になったり、自分ばかり話してしまい、患者さんのお気持ちを聴けていなかったりと、色々と反省点が出てきて。

その都度、どうしたら伝わるか自分なりに考えたり、調べたり、時にはチーフ衛生士さんやDASG、PASの仲間に相談したりしました。

最初は、うまく伝わっているかな?とか、説明が下手だったかな?と、そんなことが心配でしたが、まずいちばん大切なのは、患者さんと真剣に向き合うことだと、最近は思うようになりました。

与えてもらった20分のカウンセリングの時間、その人に全神経を集中させる。話し方や言葉のチョイスが下手だとしても、気持ちは相手にも伝わると思っています。

これからももっと練習が必要だと思いますが、その気持ちだけは忘れず、これからもカウンセリングに臨みたいと思っています。

TCの魅力ややりがい

患者さんの雰囲気によって、どんな話し方にしようかな、と考えながらお話したり、また、この方は何を重視して生活していらっしゃるのだろう、などと、患者さんに思いをはせながら、お話しすることがとても楽しいです。

会話の中で出たキーワードを深堀りしていくと、患者さんの人生の1ページを垣間見させていただいているような、不思議な感覚になります

この方は仕事をすごく大切にされていて、好きな食べ物は〇〇で、とか。それってほとんどの歯科治療に通じているのではないかと思っています。

治療はできませんが、この方がおいしく楽しくお食事ができるようになるために、私は何をしてさしあげられるのだろう?と考えながらお話するのがすごく楽しいです。

カウンセリング時の必需品

カウンセリングのスライドと、カウンセリングシートです。

スライドは、TCを導入する際、コンサルの方にサンプルとしていただいたものを何度も修正して、今の形になりました。

実際に説明に使用しているスライド
実際に説明に使用しているスライド

患者さんもただお話を聴いているだけではつまらないと思いますので、「スウェーデンって知っていますか?」とか「歯周病ってテレビで見たことありますか?」など、途中で質問を入れるようにしています。

また、女性の患者さんをカウンセリングすることが多いので、イラストを多めにするなど、飽きないように工夫をしました。

カウンセリングシートは、患者さんから聴いた情報を先生や衛生士さんと共有できるので、なくてはならないアイテムです。

実際のヒアリングシート。ささいな質問もすべてメモします
実際のヒアリングシート。ささいな質問もすべてメモします

今後の目標

一人でも多くの患者さんの笑顔を見たいです。あとは、医院内でTCが増えることです。

また、欲張りかもしれませんが、チームワークで働ける環境づくりも目標の一つです。

先生は治療、衛生士さんは予防処置や衛生管理、助手さんはアシスト業務、受付は受付業務、TCはカウンセリング。

それぞれの仕事に専念できる、各々が一番自分を生かせる環境っていいなと思っています。

勤務先

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