離職者は15万人!歯科衛生士が就業していない理由

厚労省が発表した平成30年衛生行政報告例によると、就業歯科衛生士の人数は13万2,629人。
(参照:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況-厚生労働省

一方で、歯科医療振興財団の事業報告によると、2019年2月時点の歯科衛生士名簿登録者数は28万3,032人。
(参照:平成30年度事業報告書-一般財団法人歯科医療振興財団

つまり、歯科衛生士の資格を持ちながら、未就業もしくは歯科から離れている人が約15万人も存在しているのです

国家資格を取得し、求人数も多い環境の中でなぜ未就業者がいるのでしょうか。今回は再就職の障害となっている点をまとめました。

* この記事は2020年6月25日に更新しました

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[目次]
1.歯科衛生士が現在就業していない理由
2.歯科衛生士が再就職しない理由

1.歯科衛生士が現在就業していない理由

2020年に日本歯科衛生士会が発表した「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、全体の12.4%が「出産・育児」、8.4%が「結婚」、7.7%が「職場の人間関係」を理由に退職しています。
(参照:歯科衛生士の勤務実態調査報告書-公益社団法人 日本歯科衛生士会

最後に勤務していた職場を退職した主な理由(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyleが編集)
最後の勤務先を退職した理由(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)

5年前に実施された前回の調査結果と比較すると、「出産・育児」による退職は20.6%から12.4%と減少していました。

これは、子育て中の歯科衛生士にとって働きやすい環境が整った職場が増えているのはないでしょうか。

反対に、「職場の人間関係」による退職が2.3%から7.7%と大きく増加

また、同調査の「勤務先の職種別人員構成」を前回と比較すると、歯科衛生士の平均在籍数は3.6人から4.7人、歯科医師は1.9人から2.8人と全体的に増加していました。

ひとつの診療所に在籍しているスタッフ数が増えたことにより、職場の人間関係も複雑になっていることが考えられます。

「給与・待遇の面」による退職は、3.6%から1.4%と減少していました。

2.歯科衛生士が再就職しない理由

つづいて、「再就職の意向」をみると、非就業者の再就職の意向では「すぐにでも再就職したい」「条件が合えば再就職したい」の合計が47.6%です。

では、再就職する際に障害となっているのはどのような点なのでしょう。

再就職する際の障害(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyleが編集)
再就職する際の障害(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)

歯科衛生士の勤務実態調査によると、再就職のもっとも大きな障害は「勤務時間」。他にも、「育児や子供の預け先がない」「自分の健康問題」などといった回答がありました。

「勤務時間」は時短勤務や午前のみ、土日休みなどの柔軟な働き方を歯科医院側が用意することで解消が可能と思われます。

しかし、これは一定数のスタッフが働く中規模以上の歯科医院でないと難しいでしょう。

医院にとっては柔軟な働き方を用意することはコストになりますが、逆にいえばそのコストを払ってでも人材の採用・維持に取り組んでいる医院といえます。

少しずつそういったことに力を入れる医院も増えていますが、やはり応募者が多くなる傾向がありますので、見つけた際は早めに応募した方がよいでしょう。
(参照:人気の歯科医院について理解しよう!

続いて多かったのが、「自分のスキル」が障害になっているという方。

同調査の「希望する再就職研修の内容」を前回のデータと比較すると、摂食・嚥下機能訓練技術や介護技術といった、全身管理にかかわる項目が増加しています。

また、TBIやカウンセリングといったコミュニケーションスキルが必要となる分野に自信がない方が多いようです。

希望する再就職研修の内容(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)
希望する再就職研修の内容(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)

これについては、再就職に向けた研修プログラムを受けるなどといった努力が必要です。

しかしながら、ひとつの診療所で完璧な支援プログラムを企画することは現実的に難しいため、復職支援講習会を都道府県の歯科医師会や厚生労働省、大学病院が中心となって実施するケースが増えてきています。

再就職にあたって、スキルに対する不安がある方は、復職支援への参加を検討してみてはいかがでしょうか。

歯科衛生士不足は歯科医療全体の大きな課題となります。

さらに言うと、お口の健康が全身の健康に大きく影響することが明らかになった今、歯科衛生の担い手が不足していることは日本全体の課題となります。
(参照:歯科衛生士に追い風!歯科検診・口腔ケアの大切さを国が認める

現在未就業の歯科衛生士が再就職するには何が必要なのか、これば業界全体をあげて取り組むべき大きな課題となっていくと考えられます。

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