【歯科衛生士の年齢まとめ】定年は?何歳まで働ける?

厚生労働省が発表した平成30年度衛生行政報告例によると、2018年末時点で、全国に就業中の歯科衛生士は132,629人います。
(参照:衛生行政報告例-厚生労働省

また、今年度の新卒歯科衛生士は6,602名ですが、全体としてはどの年代が多く働いているのでしょう。

年代別の人数を知ることは、キャリア形成の参考になりますので調査しました。

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[目次]
1.歯科衛生士の平均年齢
2.歯科衛生士は何歳まで働けるの?
3.歯科衛生士の定年
4.高齢の歯科衛生士が就業していない理由
5.定年後はどのように働くことが多いの?
6.歯科衛生士が転職できる年齢は?

1.歯科衛生士の平均年齢

厚生労働省が2021年3月に公表した賃金構造基本統計調査によると、正職員として働いている歯科衛生士の平均年齢は35.5歳でした。

年齢層ごとの割合をみると、全年代でほぼ均等ですが、毎年7,000名近い国家試験合格者が排出されることで、平均年齢を引き下げています。

つぎに、過去18年間(2002年〜2020年)の年次推移を調べてみました。

歯科衛生士の平均年齢(賃金構造基本統計調査を元にdStyle編集)
歯科衛生士の平均年齢(賃金構造基本統計調査を元にdStyle編集)

2002年に30.4歳、2004年には29.9歳だった平均年齢は、2008年ごろから上昇し、2020年には35.5歳に。歯科衛生士の平均年齢は、年々上昇しています。

また、非常勤として働いている歯科衛生士の平均年齢の推移をみると、2008年は39.0歳だった平均年齢は、2020年に43.7歳まで上昇。

近年の人材不足から、結婚や出産で一度現場を離れた歯科衛生士さんを積極的に採用している歯科医院が増えていることが要因のひとつと考えられます。

育児との両立のためなど、正職員だけなく午前診療のみの勤務や、中抜けOKといった条件での勤務を受け入れている歯科医院もあります。

2.歯科衛生士は何歳まで働けるの?

2018年に厚生労働省が発表した衛生行政報告例によると、「25歳未満」から「50〜54歳」の各年代が10%ずつとなっており、各世代がまんべんなく就業しています。
(参照:平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 図8 年齢階級別にみた就業歯科衛生士・歯科技工士

歯科衛生士の年齢分布(衛生行政報告例を元にdStyle編集)
歯科衛生士の年齢分布(衛生行政報告例を元にdStyle編集)

もっとも多い年齢層は「40〜44歳」の14.8%(18,992人)で、55歳以上から10%を下回っていますので、50歳を超えても勤務する歯科衛生士が多数いるといえます。

歯科衛生士といえば、若い方が多く働いているイメージがありますが、実際は幅広い年齢層が活躍しています。

また、55歳以上も11.0%いますので、やはり歯科衛生士は国家資格を生かして一生働ける仕事といえるでしょう。

3.歯科衛生士に定年はあるの?

資格取得を考えている方や、20〜30歳代の歯科衛生士の方々にとっては「一生働ける」という点は魅力的ですよね。ただ、実際に何歳まで勤務することができるのでしょうか。

現在日本の法律では、年齢制限による免許返納の義務はありませんので、何歳になったら歯科衛生士ができなくなる、という決まりはありません。

そもそも「定年退職」とは、会社側で決められた年齢に達したら退職をする制度のことです。「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」が改正されたことを受け、定年の年齢を満65歳に引き上げて継続雇用する企業も増えてきました。

歯科医院も同様の扱いとなり、医院が定年を定めているかどうかによって異なります。気になる方は、面接の際に定年制度があるかどうかを確認してみましょう。

4.定年後はどのように働くことが多いの?

日本歯科衛生士会の調査によると、回答者8,932人のうち、就業していない歯科衛生士は1,063人と全体の1割を占めていました。
(参照:歯科衛生士の勤務実態調査 報告書 XI.非就業者

また、55歳以上の就業していない歯科衛生士では、17.8%が「すぐにでも再就職したい」「条件が合えば再就職したい」と答えている一方で、64.3%の人が「再就職するつもりはない」と回答しています。

歯科衛生士の再就職の意向(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)
歯科衛生士の再就職の意向(歯科衛生士の勤務実態調査を元にdStyle編集)

再就職するとしても、定年を意識する年齢となりますが、定年後はどのように働く方が多いのでしょうか。

体力的な問題などから、常勤を希望しない方も多くなっているようです。定年がある歯科医院では、65歳までは定年後の継続雇用制度を利用して、非常勤やパートに雇用形態を変更して勤務を継続するケースが多くなっています。

また、急患があまりなく、チェアタイムを意識しなくてもよいため、定年後に訪問歯科の道を選ぶ方もいます。

5.歯科衛生士が転職できる年齢は?

歯科医院で働いている歯科衛生士は若い方のイメージがありますが、一度現場を離れてしまったら、復帰しづらい環境なのでしょうか。

衛生行政報告例のデータより、過去12年間(2006年〜2018年)の歯科衛生士の年齢分布を比較してみましょう。

過去12年間の歯科衛生士の年齢分布(衛生行政報告例を元にdStyle編集)
過去12年間の歯科衛生士の年齢分布(衛生行政報告例を元にdStyle編集)

2006年には41.5%だった「20代以下」の割合が、2018年には24.4%と、就業している歯科衛生士の4分の1以下にまで減少しています。

しかし、就業者数は36,040人から32,391人とあまり大きな変化がないことから、過去12年間で30歳以上の歯科衛生士の人数が大きく増加していることが分かります。

女性の働く意識が変わってきていることや、有効求人倍率が高まっていることが影響していると考えられます。
(参照:歯科衛生士の求人倍率。1人の新卒に20医院がオファー!

このような背景を受け、交通費や賞与の支給、福利厚生の充実など、歯科衛生士が長期的に勤務できるように歯科医院の体制が整備されてきていることも、要因のひとつかもしれません。

つづいて、「50代以上」の割合は過去12年間で8.2%から21.3%に上昇。2006年に7,136人だった就業者数が、2018年には28,250人と約4倍に増加しています。

歯科衛生士の3大業務であるメインテナンスの普及にともない、患者さんの年齢層に合わせて、「社会人経験が長い方を採用したい」「子育てを経験した方を採用したい」などのニーズがあります。そのため、歯科医院側も年齢以外のステータスに重点を置くところが増えてきています。

歯科衛生士業務からしばらく離れてしまって不安…という方は、行政や大学、歯科衛生士会などの団体が実施している「復職支援プログラム」もありますので、ぜひ参加してみてください。
(参照:復職支援プログラムのご紹介!ブランクのある歯科衛生士さん必見!

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