「歯科助手に興味があるけど、どんな仕事をするんだろう…」とお悩みではありませんか?
歯医者さんで歯科医師の隣に立っているイメージがあっても、歯科助手の具体的な仕事内容を知らない方も多いですよね。
今回は、歯科助手の仕事内容について徹底解説していきます。
「歯科助手になりたい!」と思った方のために、歯科助手に役立つ資格や、即戦力を目指せる専門学校についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.歯科助手の仕事内容って?
2.歯科助手ができない仕事
3.歯科助手に資格は必要?
4.歯科助手の専門学校
5. 歯科助手の仕事内容まとめ
1.歯科助手の仕事内容って?
歯科助手の仕事内容は、事務作業からアシスタント業務まで幅広く、歯科医院によってさまざまです。
具体的には、以下の業務を行います。
- 院内の清掃や整理整頓
- 受付や会計などの窓口
- 予約の管理や調整
- 患者さんの案内や介助
- 歯科医師や歯科衛生士のアシスタント
- 器具の用意や片付け
- 器具の洗浄や滅菌
- レセプト作成
実際に働くときのイメージがしやすいように、それぞれ詳しく解説していきますね。
院内の清掃や整理整頓
歯科助手が行うことの多い仕事内容の1つ目は、院内の清掃です。
歯科医院をきれいに保つための院内清掃も、歯科助手の大切な仕事。医院によって清掃の範囲やタイミングは異なりますが、就業前と就業後に行うことが多いです。
患者さんが気持ちよく過ごせるように、待合室や診療室などに掃除機をかけたり、拭き掃除を行ったりします。
待合室の本棚や、子どもたちが遊ぶおもちゃの整頓も忘れてはいけません。
気になるところがあれば、随時清掃・整理整頓をしていきます。
また、歯科医院にはカルテや治療器具、患者さんの顎模型などさまざまなものが保管されています。
どのように管理すれば、スタッフが使いやすくなるようかを考え、配慮して整理整頓をするのも、大切な歯科助手の仕事です。
受付や会計などの窓口
受付の専任スタッフがいない限りは、基本的に歯科助手が窓口業務を兼任することもあります。
具体的には、患者さんが来院した際の保険証や診察券の確認、治療後の料金計算や患者さんの会計です。
料金の計算は、パソコンのシステムが行ってくれる場合がほとんどなので、計算が苦手な方も安心してくださいね。
窓口業務で何より大切なことは、笑顔と歯科医院の明るい雰囲気づくりです。
歯科助手は、患者さんが最初に会うスタッフなので、歯科医院の顔ともいえます。
患者さんが安心して来院できる歯科医院にするための窓口業務は、歯科助手の大切な仕事です。
患者さん予約の管理や調整
会計後に、治療内容や所要時間を考慮して、次回の予約をとります。
患者さんによって治療の種類や所要時間はさまざま。そのため、空いている場所に次々と予約を入れて良いわけではないので、慣れないうちは手こずる方も多いかもしれません。
予約は会計後だけでなく、メールやWEB、電話で行う場合も。特に電話の場合は、患者さんを待たせずに対応できるように、迅速さが求められるでしょう。
また、予約を入れる以外にも、詰め物のでき上がり日数や緊急の患者さん対応などで、予約変更のお願いの連絡をすることもあります。
患者さんが納得して予約の変更をできるように、理由を明確に伝えることや、やわらかにコミュニケーションを取れる対応力が必要です。
歯科助手が行う予約の管理業務は、治療を円滑にすすめるだけでなく、患者さんを待たせないようにするためにも欠かせません。
患者さんの案内や介助
具体的には、待合室にいる患者さんを診療台まで案内し、エプロンをかけます。治療後はエプロンを外し、待合室へ誘導します。
一見すると簡単に思えますが、高齢の患者さんや小さいお子さんなど、相手に合わせて柔軟に対応しなければなりません。
そして、患者さんと接する際は、一歩先の案内や対応を心がけが必要になります。
たとえば、足の不自由な患者さんには「もうすぐ段差があります」とお伝えしたり、スカートを履いている患者さんに膝かけをお渡ししたりと、患者さんそれぞれに寄り添った案内をします。
歯科助手の気遣いひとつで安心して来院できる歯科医院になるので、患者さんの案内や介助は大切な仕事です。
歯科医師や歯科衛生士のアシスタント
治療をする歯科医師や歯科衛生士の隣に立ち、器具の受け渡しやライトの調整を行います。
他にも、バキュームと呼ばれる機械で患者さんのだ液を吸引したり、詰め物をつける際の歯科用セメントを練ったりなど、歯科助手のアシスタント業務は多岐にわたります。
そして、アシスタント業務で大切なのは、治療内容の把握です。
治療の流れがわかると次に必要な道具が思い浮かぶので、歯科医師や歯科衛生士がストレスなく、スムーズに診療できます。
スムーズに診療ができると患者さんの負担も減るので、歯科助手のアシスタント力は重要です。
姉妹サイト「WHITE CROSS」では、初めて歯科業界ではたらく方や、復職したばかりで歯科助手の仕事に不安がある方などのために、習熟度をはかる簡単なテストを用意しています。
まずはそこから少しずつはじめてみてもよいかもしれません。
さらに、歯科医師や歯科衛生士のアシスタントをする際は、患者さんへの気遣いも忘れてはいけません。
治療が不安な患者さんに対して、安心してもらえるような声かけをします。
声かけ以外にも、患者さんのうがいをするタイミングなどを見極めることも大切です。
患者さんの様子を気にかけながら歯科医師や歯科衛生士の補助をするので、慣れないうちは少し大変に感じるかもしれません。
しかし、歯科助手が気遣いのあるアシスタントをできると、患者さんが安心して治療を受けられます。
その結果、歯科医師や歯科衛生士も治療がしやすいと感じるようになるため、スムーズに診療がすすみ、患者さんの負担も軽くなりますよ。
アシスタント業務は、歯科医師や歯科衛生士がストレスなく治療できるだけでなく、患者さんが安心して治療を受けるためにも重要な仕事です。
器具の用意や片付け
必要な治療器具や材料を用意して患者さんを診療台に案内し、円滑な治療をスタートさせるのも、歯科助手の仕事です。
治療が終わったら、材料を元の場所に戻し、汚染された器具は滅菌スペースで洗浄や、薬剤につけるなどをします。
器具や材料の片付けでは、他のスタッフのことも考えて、定位置に戻すように気をつけなければなりません。
歯科医院にはたくさんの器具や材料があるため、最初は名前や使用用途などから覚える必要があるでしょう。名前と使用用途を覚えたら、治療内容別に必要な器具や材料を覚えます。
歯科医院で使う器具は、未経験の方にとって初めて目にするものや、聞いたことがない名前のものばかりです。
働きはじめたばかりのころは、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、一度覚えてしまえば、他の歯科医院で勤める場合にも役立ちます。
職場によっては、多少の呼び方の違いがあったり、片付ける場所を覚えたりすることはありますが、基本的な使用用途や呼び方は変わりません。
最初の覚える作業さえ乗り越えれば、歯科助手として働くなかで、かならず役に立ち、自分の糧になってくれますよ。
器具の洗浄や滅菌
治療で使った器具を洗い、その道具に応じた方法で滅菌を行います。歯科医院によっては滅菌専属のスタッフがいる場合もありますが、歯科助手が兼任することが多いです。
器具の洗浄や滅菌は感染症の予防にもつながるため、歯科助手の仕事のなかでも重要です。
患者さんが安心して治療を受けられるようにするためにも、手を抜かずに作業しなくてはなりません。
器具の用意や片付けと同じく、最初は名前を覚えたり滅菌方法を覚えたりする必要はあります。
慣れないうちは大変だと感じるかもしれませんが、扱い方はほとんどの歯科医院で同じなので、今後の自分に役立ちますよ。
レセプト作成
医療機関では、患者さん負担と保険機関負担で診療費が分かれます。
レセプトは診療報酬明細書とも呼ばれ、保険機関負担分の診療費を請求するための作業が、レセプト作成業務です。
受付スタッフがいない場合は、窓口業務と同じく歯科助手がレセプト作成を兼任することもあります。
レセプト作成は事務作業で、パソコンの扱いやコツコツと点検をする作業があります。
医療事務の経験がある方は、通ずるところが多いので、やりやすいと感じるかもしれません。
未経験でも数をこなすうちに慣れていくので、安心してくださいね。
2.歯科助手ができない仕事
前項までで解説したように、歯科助手の仕事内容は多岐にわたります。
しかしながら、患者さんの口の中に手を入れる医療行為は、歯科助手が行ってはいけません。
口の中に手を入れる医療行為とは、たとえば以下のような内容です。
- 歯石をとる
- 麻酔や注射をする
- 詰め物を装着する
- 歯型をとる
歯科衛生士が行うような業務は、原則歯科助手にはできないと思っていいでしょう。
3.歯科助手に資格は必要?
歯科医師や歯科衛生士のアシスタント業務を行う歯科助手に、資格が必要なのか気になりますよね。
じつは、歯科助手として働く際、特に資格は必要ありません。実際に、未経験者歓迎の歯科助手求人は多くあります。
しかしながら、歯科助手として働きながらお給料をあげたい場合や、実際に働きはじめる前に勉強をしておきたい場合などは、資格の取得がおすすめです。
歯科助手に関する資格を、以下にまとめました。
- 歯科助手向けの認定資格
- 医療事務管理士歯科助手専門員
- 歯科医療事務検定
- 日本歯科医師会認定歯科助手
歯科助手は民間資格が多く、通信講座でも人気です。
特に、患者さんとのコミュニケーションや治療のカウンセリングについて学べるトリートメントコーディネーターは、積極的に採用する歯科医院も増えています。
他にも、日本歯科医師会の『日本歯科医師会認定歯科助手資格制度』を利用すると、講習会の受講と歯科医院での臨床実習をおこなうことで、歯科助手の資格を取得できます。
(参照:日本歯科医師会認定歯科助手ってどんな資格?)
いきなり働きはじめるのが不安な方は、まずは歯科助手の資格取得を目指すと、働く前の心がまえができますよ。
dStyleでは、歯科助手が取得できる資格を紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
その他、歯科に直接関係する資格以外にも、歯科助手に役立つ資格は多くあります。
たとえば、以下の資格です。
- 医療事務
- ExcelやWordなどパソコンに関する資格
- 保育士
- 秘書検定
一見すると関係なさそうに見える保育士の資格も、歯科助手には役立つ資格です。
歯科医院には、小さなお子さんも来院します。
小児患者さんの治療中の対応以外にも、治療をしているお母さんやお父さんに代わって、お子さんの相手をする場合に役立ちますよ。
4.歯科助手の専門学校
未経験でも働ける歯科助手ですが、専門的に学びたいと思う人も多いです。
歯科助手としての知識を身に付けたい人に向けた学校もいくつかあるので、以下にピックアップしてまとめました。
- 東京医療秘書福祉専門学校 歯科アシスタント科
- 横浜医療秘書専門学校(旧 横浜医療秘書歯科助手専門学校)
- 経専医療事務薬業専門学校 医療事務学科歯科アシスタントコース
- 広島YMCA専門学校 医療事務科医療事務・歯科助手コース
- 新潟ビジネス専門学校 医療秘書・事務学科
歯科助手の学校に行くと、独学で勉強をするよりも専門的で確かな知識を身に付けられます。
知識だけでなく、現場で役立つ技術も教えてもらえるため、歯科助手の専門学校に通うと即戦力となれるでしょう。
さらに、歯科医院での実習を取り入れている学校も多いので、実際に働いた際の雰囲気も体験できますよ。
即戦力として知識や技術を身に付けて働きはじめたい方は、歯科助手の専門学校に通うのもおすすめです。
5.歯科助手の仕事内容まとめ
今回は、歯科助手の仕事内容を解説しました。
歯科助手の仕事内容は多岐にわたり、事務作業から歯科医師や歯科衛生士のアシスタント作業までたくさんのことを任されます。
どの仕事を請け負う際も考えておきたいのは、患者さんや歯科医院のことです。
歯科助手は歯科医師よりも患者さんに近い立場にいるため、歯科助手の立ち居振る舞いで歯科医院のイメージを大きく左右します。
どんなときも患者さんに寄り添った、一歩先の気遣いや行動を心がけることが大切です。
歯科助手は資格がなくても勤められますが、先に知識を学んでおきたい方には歯科助手に関する資格もあります。
実務経験を積みたい方は、歯科助手の専門学校もあるので、検討してみてくださいね。