歯科求人票の「わからない」を解決! 第14回 意外に大切!キャリアに直結する診療科目

仕事を探している歯科業界のみなさんにとって、「求人票」って情報収集のためにとても大切ですよね。

一方で、大切であるものの、中身の詳しいことはよくわからなくて困っているという声をよく伺います。
dStyleではそんなみなさんの声にお答えし、求人票を徹底解説!

それぞれの項目を正しく知ることで、本当に自分に合った職場選びにつなげていきましょう。

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第14回は、診療科目です。

今回は「意外と知らない診療科目に関しての豆知識」です。解説するのは、こちらの部分です。

あらためて、診療科目には何があるの?

厚生労働省の資料によると、一般歯科・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科の4つが標榜診療科名として書かれています。

一方で、各歯科医院が専門色(特色)を出していることなどから、歯科衛生士のキャリアを考えた際には、以下の7つに分けられると考えました。

現場で働くみなさんにとってはおさらいにはなりますが、それぞれの診療科目について、説明をしていきます。

① 一般歯科

歯科医院の中でもっとも多いのが、一般歯科です。

日本で一般歯科に従事している歯科医師は92,124人で、全体の90.7%です。診療所に限ると、96.0%の歯科医師が一般歯科に従事していることになります。すごい数ですね。
(参照:平成28年(2016年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況 診療科(複数回答)別にみた歯科医師数

一般歯科の主な治療内容は、う蝕や歯周病の治療です。予防歯科もここに入るでしょう。

特に予防歯科は、時代の流れや国の施策(治療から予防へ、医療費削減)にも合っており、歯科衛生士の活躍の場として、近年アピールする歯科医院が増えてきています。

他にも義歯や口臭治療など、各歯科医院の特徴がホームページに書かれているので、確認してはいかがでしょうか。

② 矯正歯科

悪い噛み合わせや歯並びを、矯正装置を使ってきれいにしていく歯科治療です。

日本で矯正歯科に従事している歯科医師は20,393人で、全体の20.1%です。一般歯科をメインとしながら矯正治療も行っている歯科医院と、矯正治療を専門で行っている歯科医院の2種類があります。

③ 小児歯科

説明は不要だと思いますが、子どものお口を専門に診るのが小児歯科です。日本で小児歯科に従事している歯科医師は39,586人で、全体の39.0%です。

う蝕の治療や歯肉炎の予防のみならず、成人と子どもの身体の違いを踏まえた上で、より良い成長の手助けをするのが小児歯科の役割といわれています。

一般歯科をメインとしながら小児歯科診療もPRしている歯科医院と、小児歯科を専門で行なっている歯科医院があります。とくにPRはしていなくても、小児の診療を行っている歯科医院もあります。

④ 歯科口腔外科

日本で歯科口腔外科に従事している歯科医師は27,570人で、全体の27.1%です。

口腔内および顎、顔面と、その隣接領域の疾患を扱う診療科です。歯が原因のものから、がん、交通事故やスポーツによる外傷などさまざまな疾患を扱い、名前の通り外科処置(手術)を行います。

こちらも他科と同様、一般歯科と歯科口腔外科のどちらも行っている歯科医院と、歯科口腔外科のみを行っている医院(主に総合病院)があります。

⑤ 審美歯科

歯や口元の美しさを追求するのが審美歯科です。

一般的なクリーニングやホワイトニングで歯を白くきれいにしたり、歯並びや歯肉、歯の形をきれいにする治療を行っています。

⑥ インプラント

補綴治療(失った歯を補う治療)の中でも、人工歯根を用いるインプラントは専門性の高い治療です。

インプラント治療は確立された治療であり、手がける歯科医院も増えてきました。高度な滅菌環境づくりや術後のメインテナンスには知識や技術がいることから、それらを専任で行う歯科衛生士の方もいます。

⑦ 訪問歯科

超高齢社会を迎えた日本では、通院困難な高齢者がかなり増えています。

そのため、今まで歯科医院で患者さんを診ていたところから、歯科医師や歯科衛生士がお宅に訪問して診療を行う歯科医院が増えており、近年では20%弱の歯科医院が訪問歯科を行っています。
(参照:第10回在宅医療推進会議 在宅歯科医療 現状と課題

訪問歯科では、一般的な診療と、口腔ケア、口腔リハビリテーションを行います。また他の医療機関の橋渡しとなる役目も担っています。

最初はどの科目を選ぶべきなの?

色々な意見はあると思いますが、やりたい科目がまだ決まっていない方は、やはり一般歯科からはじめることが一番無難なキャリアのスタートの仕方だと考えます。

① で説明した通り、一般歯科は9割以上の歯科医院で行われています。幅広く経験を積んでいきたい方、選択肢を多く持っておきたい方も、一般歯科の中から探していくことが良いのではないでしょうか。

医院の見分け方

たとえば一般歯科の場合、う蝕治療、歯周病治療、補綴、予防などなど、いずれかの治療に特化している歯科医院なのか、広く浅く治療しているのか、実際どうなのかわからなくて迷ってしまう場合も多くありますよね。

そんな時は以下のような方法を使って調べてみてください。

ホームページからわかること

所属学会

先生や先輩歯科衛生士の所属学会を確認することで、その医院の強みや興味を持って行っている診療内容がわかります。症例発表などを行っている場合は、そちらの内容も確認してみましょう。

所属スタディグループ

スタディグループに関しても同様です。学会以外で「スタディグループ〇〇所属」など書かれている場合、必ず調べるようにしましょう。

研修やセミナーに参加していることも大切ですが、どんな団体・組織に所属して活動しているかがわかると、その医院や先生が何に力を入れているかがわかってきます。

症例の内容・症例数

ホームページに具体的な症例内容や症例数が載っている場合は、確認しましょう。実際に行われている治療内容や、患者さんの疾患がわかります。その医院でどのくらい経験できるか、症例数(年間・累計)も大切です。

医院見学に行った時にわかること

症例や患者層について

直接お話ができる場合、症例に関して具体的に確認しましょう。

たとえば口腔外科の場合、抜歯だけ行っている場合でも立派な「手術」ですから、口腔外科の標榜は可能です。

インプラントと書いてある場合、う蝕(一般歯科)が背景なのか、外傷が原因なのか、審美のためのインプラントなのかなどを確認することで、患者層を把握することができるでしょう。

担当制かどうか

上記に加えて、歯科衛生士担当制の有無も確認しましょう。

患者さんを担当することで、患者さんの全身疾患や、その人にとってベストな歯科治療について深く学ぶ必要が出てきます。そのため、自然に知識が身につき、歯科衛生士としての力をつけることができます。とくに新卒や若手歯科衛生士の場合、大切なのではないでしょうか。

一方で、出産や育児などで時短やパート勤務を希望する場合は、担当制では緊急事態に対応しづらいと感じることもあると思います。状況に合わせて確認しましょう。

意外に大切!キャリアに直結する診療科目

いかがでしたか?

歯科で仕事を探すみなさんが少しでもマッチした職場を選べる、その一助になれば嬉しいです。

もし個別に質問がある方は、dStyleエージェントまでお気軽にお問い合わせください!

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おしえて!dStyle 歯科求人票の「わからない」を解決!

第1回 求人票をおさらい!5つに分割してみよう
第2回 誰がやっているかを確認してわかること
第3回 どこでやっているかを確認してわかること
第4回 どのくらいの人数でやっているかを確認してわかること
第5回 どのくらいの仕事量かを想像しよう
第6回 試用期間ってなんだろう?
第7回 お給料徹底解説!① 額面と手取りって?
第8回 お給料徹底解説!② 手当、手当、手当
第9回 勤務時間・休日徹底解説!
第10回 社会保険、徹底解説!
第11回 歯科だけの保険「歯科医師国保」ってなんだ!?
第12回 研修やセミナーも福利厚生なんです
第13回 福利厚生についてのこぼれ話
第14回 意外に大切!キャリアに直結する診療科目
第15回 業務内容「歯科衛生士業務」を紐解きます
第16回 求人票でわからないこと、でも知りたいこと
第17回 さいごに〜選考の進み方を確認しよう〜

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